• "人権擁護委員"(/)
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  1. 大阪府議会 2017-09-01
    10月06日-06号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    平成29年  9月 定例会本会議(1)    第六号 十月六日(金)◯議員出欠状況(出席八十四人 欠席〇人 欠員四)      一番  上田健二君(出席)      二番  永井公大君(〃)      三番  前田洋輔君(〃)      四番  中川あきひと君(〃)      五番  永野耕平君(〃)      六番  山本 大君(〃)      七番  いらはら 勉君(〃)      八番  河崎大樹君(〃)      九番  原田 亮君(〃)      十番  うらべ走馬君(〃)     十一番  原田こうじ君(〃)     十二番  田中一範君(〃)     十三番  冨田忠泰君(〃)     十四番  今西かずき君(〃)     十五番  松本直高君(〃)     十六番  中野 剛君(〃)     十七番  石川たえ君(〃)     十八番  藤村昌隆君(〃)     十九番  中村広美君(〃)     二十番  山下浩昭君(〃)    二十一番  大橋章夫君(〃)    二十二番  冨山勝成君(〃)    二十三番  橋本邦寿君(〃)    二十四番  西川のりふみ君(〃)    二十五番  奥田悦雄君(〃)    二十六番  豊田 稔君(〃)    二十七番  杉本太平君(〃)    二十八番  泰江まさき君(〃)    二十九番  西林克敏君(〃)     三十番  松浪武久君(出席)    三十一番  笹川 理君(〃)    三十二番  横山英幸君(〃)    三十三番  やまのは 創君(〃)    三十四番  杉江友介君(〃)    三十五番  池下 卓君(〃)    三十六番  うるま譲司君(〃)    三十七番   欠員    三十八番   欠員    三十九番   欠員     四十番  金城克典君(〃)    四十一番  橋本和昌君(〃)    四十二番  和田賢治君(〃)    四十三番  富田武彦君(〃)    四十四番  中野稔子君(〃)    四十五番  坂上敏也君(〃)    四十六番  中谷恭典君(〃)    四十七番   欠員    四十八番  久谷眞敬君(〃)    四十九番  鈴木 憲君(〃)     五十番  西田 薫君(〃)    五十一番  みつぎ浩明君(〃)    五十二番  徳永愼市君(〃)    五十三番  釜中優次君(〃)    五十四番  しかた松男君(〃)    五十五番  肥後洋一朗君(〃)    五十六番  内海久子君(〃)    五十七番  加治木一彦君(〃)    五十八番  八重樫善幸君(〃)    五十九番  川岡栄一君(〃)     六十番  大山明彦君(〃)    六十一番  垣見大志朗君(〃)    六十二番  徳村さとる君(出席)    六十三番  中村哲之助君(〃)    六十四番  宮原 威君(〃)    六十五番  林 啓二君(〃)    六十六番  三浦寿子君(〃)    六十七番  三宅史明君(〃)    六十八番  西 惠司君(〃)    六十九番  吉村善美君(〃)     七十番  西野しげる君(〃)    七十一番  森 和臣君(〃)    七十二番  上島一彦君(〃)    七十三番  中司 宏君(〃)    七十四番  松本利明君(〃)    七十五番  西野修平君(〃)    七十六番  土井達也君(〃)    七十七番  中川隆弘君(〃)    七十八番  三田勝久君(〃)    七十九番  大橋一功君(〃)     八十番  岩木 均君(〃)    八十一番  今井 豊君(〃)    八十二番  岡沢健二君(〃)    八十三番  横倉廉幸君(〃)    八十四番  奴井和幸君(〃)    八十五番  花谷充愉君(〃)    八十六番  朝倉秀実君(〃)    八十七番  岩見星光君(〃)    八十八番  吉田利幸君(〃)     ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         上田達也     次長         西野栄次     議事課長       中岡敬二     総括補佐       中島茂雄     課長補佐(委員会)  中村靖信     主査(議事記録総括) 松井博之     主査(議事記録総括) 山本英次     主査(委員会総括)  神志那 隆     主査         太上利宏     ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第六号 平成二十九年十月六日(金曜)午後一時開議 第一 議案第一号から第三十八号まで及び第四十号並びに報告第一号から第二十三号まで並びに第一号諮問(「平成二十九年度大阪府一般会計補正予算(第一号)の件」ほか六十二件)    (質疑・質問)    (第四十号議案及び第一号諮問の先議)    (議案の委員会付託) 第二 第四十二号議案(「平成二十九年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件」)    (知事の提案説明)    (委員会付託省略・採決)    (請願の委員会付託)     ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件 第二 日程第二の件     ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○副議長(奴井和幸君) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○副議長(奴井和幸君) 日程第一、議案第一号から第三十八号まで及び第四十号並びに報告第一号から第二十三号まで並びに第一号諮問、平成二十九年度大阪府一般会計補正予算(第一号)の件外六十二件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により冨山勝成君を指名いたします。冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 自由民主党・無所属 大阪府議会議員団の冨山勝成でございます。 それでは、通告に従い、質問に入らせていただきます。 一つ目の質問は、ラグビーワールドカップ二〇一九についてであります。 いよいよ大会開催まで二年を切りました。既に皆様も御承知でありますが、組織委員会からの報告によりますと、経済効果は日本全体で約四千二百億円、雇用創出は約三万九千人と示されております。大阪府内だけでも、約三百四十億円の経済波及効果が想定されております。しかしながら、これはラグビーワールドカップ二〇一九単体の効果等であり、大阪経済活性化のさらなる底上げを図る戦略も必要となってまいります。 新聞報道によりますと、十一月二日に大会全四十八試合の対戦カードと試合会場、日程、チケット販売概要の発表が予定されています。地元東大阪花園ラグビー場で、いずれの国と国の試合が開催されるのか待ち遠しく、今から胸が躍ります。また、一試合でも多く、聖地花園にふさわしい組み合わせが実現することを期待しております。 さて、実際の大会本番時に、スタジアムを大勢の観客でいっぱいにするために、大阪全体で機運醸成に取り組んでいくことが重要であるかと、私は、昨年九月議会にて機運醸成に関する取り組みについて質問をさせていただきました。今年度は、どのような取り組みになっているのでしょうか、府民文化部長にお伺いいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) ラグビーワールドカップ二〇一九に向けました機運醸成については、ショッピングモールやさまざまなイベントでのPR活動に加え、今年度開催の予選プール組み合わせ抽せんや試合日程など、注目される大会行事に合わせたPRも進めております。 まず、五月の予選プール組み合わせ抽せん会の時期に合わせ、主要なターミナル駅や空港ロビーのデジタルサイネージを活用したPRを実施いたしました。また、この十月には、大会優勝トロフィーであるウェブ・エリス・カップの実物を特別に展示するイベントをJR大阪駅で実施します。 さらに、十一月二日の試合日程発表の際には、発表セレモニーのパブリック・ビューイングを同じく大阪駅で行うとともに、大阪環状線にラグビーワールドカップ花園特別デザインをしたラッピング電車を一カ月程度走らせまして、大会への認知度や期待感を一気に高めたいと考えております。 今後とも、大会に向けた機運醸成に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 花園ラグビー場は、大会開催に向け、大規模な改修工事が行われ、来年九月には竣工すると聞いております。大会会場の完成は、大会に向けた大きな話題づくりになることから、大会に準じた国際試合を開催すれば、大会の機運を高め、また交通輸送や警備等の運営準備について経験値を積むことができるのではないかと思っております。 そのために、こけら落としも兼ねて、日本代表戦テストマッチのようなビッグイベントを開催してはどうか、府民文化部長にお伺いいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 東大阪市花園ラグビー場の改修工事は、来年九月に完成する予定ですが、その後、ラグビーワールドカップ開催までの間に、日本代表のテストマッチのような試合などが実施できれば、機運の醸成や円滑な大会運営に向けた準備にとって、有意義であると考えております。 ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会にはお願いはしておりますが、今後、日本ラグビーフットボール協会など関係先に積極的に働きかけてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) ラグビーワールドカップ二〇一九は、翌年のオリンピック・パラリンピック、翌々年のワールドマスターズゲームズ二〇二一関西と続くスポーツのゴールデンイヤーズの初年度に開催されます。まずは、この大会を成功させることが、大阪にとって何よりも重要なことだと思っております。 ラグビーワールドカップの翌々年に開催されるワールドマスターズゲームズ二〇二一関西は、関西広域で三十二競技、五十五種目が行われます。海外から二万人、国内から三万人が競技に参加し、コーチや家族らを合わせて計十六万人が訪れると予測されております。 大会開催による経済波及効果は、千四百六十一億円に上ると試算されております。さらに、開催後八年間のレガシー効果は、開催地の知名度向上による観光客増加などにより、一兆八百六十八億円にも達すると予測しております。 これだけ大規模な国際大会が続くことは、極めてまれなことであり、大阪にとって千載一遇のチャンスであります。ゴールデンスポーツイヤーズのスタートとなるラグビーワールドカップ二〇一九の今後の機運醸成についての取り組みは、その後続く国際大会、さらには万博誘致、IR事業成功にもつなげるための大きな鍵を握ることにもなります。 大阪、関西のさらなる飛躍のために、大阪がイニシアチブをとって、人的負担、金銭的負担を惜しまず、ラグビーワールドカップ二〇一九、ワールドマスターズゲームズ二〇二一関西に取り組まれるようお願いをしておきます。 次に、ラグビーワールドカップに関連する道路整備についてお伺いをいたします。 ラグビーワールドカップの開催時に、大阪中央環状線からのアクセスルートとなる都市計画道路大阪瓢箪山線については、大阪中央環状線から若江岩田駅付近までの供用開始済み区間に続いて、現在、東花園駅付近までの区間において整備が進められており、平成三十一年九月のラグビーワールドカップ開催までに供用することとされております。現場を見ると、工事が順調に進んでいるように思いますが、現在の進捗状況と今後の見通しはどうでしょうか。 また、この区間に含まれる河内花園駅西側の交差点においては、供用時には信号は設置されるのでしょうか、お伺いいたします。 大阪瓢箪山線大阪中央環状線との交差点は、近畿自動車道などで遮断されており、東西に通行できない状況となっています。昨年の九月議会でこの問題について質問をした際、都市整備部長より、ラグビーワールドカップ開催までに、東西方向の通行確保ができるよう積極的に取り組んでいくと御答弁をいただきました。その後の進捗状況はいかがでしょうか。 この大阪瓢箪山線は、ラグビーワールドカップ関連の整備区間に加えて、さらに東へ延伸し、大阪外環状線までの区間を完成させることで、東西の道路ネットワークとしての効果が発揮されます。延伸部分に当たる東花園駅付近から大阪外環状線までの区間について、昨年度、都市計画事業の事業認可を取得する予定と聞いておりましたが、現在の進捗状況はどうか、あわせて都市整備部長にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。 ◎都市整備部長(井出仁雄君) 都市計画道路大阪瓢箪山線については、若江岩田駅付近から東花園駅付近までの整備工事を進めており、このうち、若江岩田駅付近から河内花園駅までの区間は今年度末の供用を、残る区間はラグビーワールドカップ開催までの供用を目指しております。 また、今年度末の供用に合わせ、河内花園駅西側の交差点において、信号が設置される予定と聞いております。 大阪中央環状線等との交差点については、ワールドカップ開催までに中央分離帯の撤去などにより、東西方向の通行を確保すべく、関係機関との協議や交差点改良の設計を進めており、来年度から現地の工事を開始いたします。 さらに、東花園駅付近から大阪外環状線までの延伸区間については、本年三月に事業認可を取得し、今年度、地元説明会を開催したところであり、今後、測量や設計などに順次着手いたします。 引き続き、ラグビーワールドカップへの対応を初め、大阪瓢箪山線の早期整備に向けて着実に取り組んでまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 続いて、災害時の救援物資の備蓄体制についてお伺いいたします。 東日本大震災や熊本地震など大規模災害が発生した場合には、全国からの救援物資が被災地に届くまでの間、まずは被災した府県や市町村が保有する救援物資を各避難所に届ける必要があるため、それぞれの自治体での備蓄が重要となります。 そこで、大阪府における救援物資の備蓄体制についてお伺いをいたします。 大阪府の救援物資の備蓄については、平成二十七年十二月の大阪府域救援物資対策協議会において、大規模災害時における救援物資に関する今後の備蓄方針についてが示されました。この方針においては、府と市町村は、おおむね三年後を目途に必要量を確保すべく、計画的な備蓄に努めるとしています。 スクリーンをお願いいたします。 この表は、市町村の備蓄状況について、重要物資の十一品目のうち、食料、毛布、簡易トイレの三品目を抜き出した目標数量と保有数を示しています。上段は、八月一日時点の数量であり、ことしでありますが、下段は、今年度末の見込みの数量であります。 各市町村では、平成三十年度を目途に目標数量の確保に向け、計画的な備蓄に取り組んでいるところです。また、府の備蓄についても、今年度末には目標をほぼ達成すると聞いております。 しかしながら、今後三十年以内に七〇%程度の発生確率と言われる南海トラフ巨大地震を初め、大災害がいつ起きてもおかしくないと言われております。備蓄が、目標数量を確保できていない状況において、もしもあすにでも大災害が発生した場合は、府や市町村はどのようにして救援物資を確保していくのか、危機管理監にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 危機管理監大江桂子君。 ◎危機管理監(大江桂子君) 大規模災害時における飲料水を初めとする緊急物資の確保については、本府では、自助、共助の観点から、個人や家庭において一週間分以上の水や食料などの備蓄をお願いしております。 しかし、家屋の損壊などにより、これら物資の確保が困難となった被災者のために、特に必要とされる食料や生活必需品などの十一品目について、府と市町村で一対一を基本に必要量を備蓄することとしております。 備蓄目標が達成できるまでの間に、南海トラフ巨大地震等の大災害が発生した場合には、関西広域連合を初めとする自治体間の応援協定や民間企業との防災協定、また市町村間での相互融通などにより物資の確保に努めることとしております。 引き続き、個人や家庭における備蓄の啓発とあわせて、市町村とともに計画的な救援物資の確保に努めてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 次に、社会的養護における施設の役割についてお伺いをいたします。 先般、厚生労働省が公表した新しい社会的養育ビジョンにおいては、社会的養護を必要とする子どもの養育について、里親家庭や特別養子縁組を基本とすることを示されました。 しかしながら、これまで大阪において、社会的養護施設の果たしてきた功績、歴史的意義は大きいと思われます。明治八年、大阪で初めて貧困のために孤児や棄児となった子どもを受け入れた孤児院が創設されて以来、施設は、戦後、戦災孤児と言われる多くの子どもを引き受けるとともに、現在に至るまで、社会情勢の変化に応じ、保護者の生活困窮や虐待などにより保護を必要とする子どもを養育し、自立支援を行っています。府として、これまで施設が果たしてきた役割をどのように評価しているのか、福祉部長にお伺いいたします。
    ○副議長(奴井和幸君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) 本府においては、本年四月一日現在、一千六百五十九人の子どもたち児童養護施設や里親家庭などで生活をしており、そのうちおおむね九割の子どもたちが施設で過ごしております。こうしたことから、施設は、大阪の社会的養護体制の根幹を担っていただいていると考えています。 また、児童虐待相談対応件数が増加している中、虐待が原因で傷ついた子どもの回復を促進するケア、支援といったものを適切に行うため、社会的養護施設が培ってこられたノウハウ、専門性を発揮していただいており、その果たしている役割は非常に大きいと考えております。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 福祉部長の御答弁を聞き、大阪府として社会的養護の施設を高く評価されていると感じ、安心をいたしました。 私は、ある施設の役員をさせていただいておりますが、施設で生活する子どもの様子をかいま見る限り、里親家庭を支援する体制が十分になければ、さまざまな課題を持つ子どもたちが、里親家庭で生活することは不可能ではないかと思っています。 このようなことから、我が会派の代表質問において、里親家庭を包括的に支援する里親支援機関を各子ども家庭センター管内に設置してはどうか、また施設の持つノウハウを活用してはどうかと質問をさせていただきました。 また、里親家庭に対するどのような支援体制があったとしても、施設でなければ養育することが難しい子どもも少なからずいるのではないかと思っております。今後、ますます施設に求められる役割は大きいと思いますが、大阪府としての所見を福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) これからの施設に求められる役割について、三点お答えをいたします。 まずは、社会的養護を必要とする子どもたちの中には、虐待などのトラウマ体験、信頼する大人との離別等による喪失体験を背景に、不安、不信感といったものが強く、他者や自分自身を傷つけるなどの行動上の課題を抱えるケースが一定の割合で存在をいたします。こうした子どもたちに対して、施設が有する子どもの回復を支援する専門的ケア機能をこれまで以上に発揮していただきたいと考えております。 次に、児童養護施設等の小規模化、地域分散化を進めているところですが、施設においては、子どもが特定の養育者と継続的に信頼できる関係を形成できるよう環境整備をするとともに、その専門性を生かし、市町村と連携をして、地域の子育て家庭を支援する役割を担っていただきたいと考えています。 さらに、今後は、施設には、里親家庭においても、さまざまな課題を抱えた子どもたちをしっかりと養育していただけるように支援する、その中核の機関として、施設が有する子どもと家庭への支援ノウハウを発揮していただきたいと考えております。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 生活単位の小規模化と地域分散化を進めることを目指し、国においては、平成十二年度から地域の住宅を活用し、近隣住民とのつながりを持ち、家庭的な環境の中で生活体験を積むため、地域小規模児童養護施設が制度化されるなど、取り組みが進められています。 大阪府の児童養護施設においても取り組みを進め、現在、地域小規模児童養護施設が二十カ所設置されており、地域の住宅で六人の子どもたちに対し、国の基準上は二人以上の職員が配置されていますが、こうしたグループホームで、特に夜間帯においては、職員が一人となり、緊急に病院に通院することなど対応に苦慮することがあると聞いております。 グループホームで育つことは、子どもの自立を考えれば大切な経験となりますが、一方、今述べた以上にさまざまな運営上の問題があると聞いております。例えば、職員が一人で多様な役割をこなすため、職員個人の力量が問われることや、職員の育成が難しいこと、深刻な課題を持つ子どもに対して、少人数の職員で対応しづらく、子ども集団への影響が大きいことなどが指摘されています。 また、現在の職員配置基準では、宿直や勤務時間が長いなど職員の負担も大きく、使用者側は労働基準法違反になりかねない状態にあるとも聞き及んでおります。 今後、大阪府として、施設の小規模化や地域分散化を図っていくに当たって、今申し上げた課題を解決するためにどのように取り組んでいくのか、福祉部長に御見解をお伺いいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) 児童養護施設における子どもの生活単位の小規模化を進めることによりまして、家庭的な養育環境が整うことになりますが、その一方で、議員御指摘のように、一人の職員のみで多くの時間帯において、六名から八名の子どもを養育するという状況が生じております。 子どもに対する養育や支援を向上させるためには、職員配置の充実、高度な専門性を確保するための体系的な職員研修が必要でありますし、職員を孤立させないよう本体の施設がしっかりとバックアップをし、全体で支え合う体制とすることが重要であります。 先般、国が示したビジョンにおいても、専門性を持つ職員が、夜間帯を含め、複数名で対応できることが必要といった方向性を示しています。 今後、より困難な課題を抱えた子どもを適切に養育するためにも、施設の職員配置基準のさらなる充実について、国に要望をしてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) よろしくお願いを申し上げます。前向きな議論と対話を通じて、施設と里親がともに手をとり合い、子どもたちを支えていけるような大阪らしい社会養護体制が確立されることを望んでおります。 では、最後に、大阪発地方分権改革ビジョンについて質問をいたします。 まず、基礎自治体の目指す姿とそれに向けた取り組みについてお伺いをいたします。 大阪府では、平成二十一年三月に策定した大阪発地方分権改革ビジョンに基づき、分権改革に向けたさまざまな取り組みを進めてきましたが、社会情勢の変化等を踏まえ、本年三月に同ビジョンの改訂を行いました。 この改訂版のビジョンにおいては、今後の方向性の一つとして、基礎自治体機能の充実を掲げた上で、今後の基礎自治体の目指す姿として、まず当面は、市町村間連携等により中核市並み行政サービスを提供していき、さらには道州制が導入された際の目指す姿は、中核市であるとされています。 現在、府内には、人口一万人未満の小規模な町村から一般市、中核市、政令市とさまざまな市町村が存在して、その区分に応じて有する権限にも大きな差があります。 具体的には、生活保護などを所管する福祉事務所が設置されていない町村から、保健所をみずから設置している中核市、さらにはほとんどの都市計画権限を有している政令市といったように、団体の区分の違いにより、その取り扱う事務の範囲は大きく異なっています。 このように、市町村の区分により権限に大きな差がある中で、同ビジョンにおいては、どのような理由から中核市を目指す姿に設定したのか、総務部長にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 総務部長岩田教之君。 ◎総務部長(岩田教之君) お示しの大阪発地方分権改革ビジョンで、将来、道州制導入の際の市町村が目指す姿を中核市とした理由は、住民に身近な福祉、保健、教育といった事務は、基礎自治体が広く総合的に担うべきとの認識のもとで、中核市になれば、住民に身近なこうした行政権限のかなりの部分を担うことができることから、将来の目指す姿として掲げたものでございます。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 中核市が目指す姿とのことでありましたが、府内四十三市町村のうち、中核市の人口要件を満たさない市町村が三十三も存在します。よって、これらの団体が、単独で中核市となるためには、それぞれが人口増加に向けた取り組みを進め、人口二十万人という要件を達成しなければならないことになります。 しかしながら、昨年三月に策定された大阪府人口ビジョンでは、府内の人口は、二〇一〇年をピークに減少するとされており、残念なことではありますが、今後、府内市町村の人口が大幅にふえることは見込みがたい状況にあります。また、これら市町村の大半は、人口十五万人未満であり、二十万という人口を確保することは極めて困難と言わざるを得ません。 よって、これらの団体が、単独で中核市になることは現実的ではなく、複数の市町村が一体となり中核市となる、つまり市町村合併が必要となるわけですが、この間の状況を踏まえると、各団体それぞれの判断に委ねていては合併が進むことは考えにくく、府が旗振り役を担っていく必要があると考えますが、そこで府は、どのように合併を進めていくのか、そのスケジュールを含めて総務部長にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 総務部長岩田教之君。 ◎総務部長(岩田教之君) 市町村が中核市になるには、今お示しのように、現行制度では二十万人以上という人口要件がございますので、多くの場合、市町村合併が必要となってまいります。 合併は、各団体の将来に大きな影響を及ぼすものであり、当事者である市町村、またそこに暮らす住民みずからが、しっかりと合併について考えることが不可欠でございますので、現状において、府としては、まず合併に向けた機運醸成、そして環境整備を行っていくべきであると考えております。 このため、府と市町村が共同で、基礎自治機能の維持、充実に関する研究会を今月中を目途に設置する予定でございまして、この中で、合併制度の課題の洗い出し、国への働きかけといった解決方策について、しっかりと研究を行ってまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 冨山勝成君。 ◆(冨山勝成君) 府内市町村の基礎自治体機能の充実に向けた議論は、大都市制度の議論と比較し、明らかに見劣りするように感じます。 総合区、特別区の検討については、両制度の意見募集や説明会を複数回重ね、法定協議会も再度設置し、議論を継続しているにもかかわらず、基礎自治体の充実に向けた取り組みは、十分には進んでいないと思われます。 我が会派としては、大阪の新しい大都市制度としては、府内市町村が最終的に政令市を目指すべきと考えますが、大阪府としてビジョンを掲げ、府内市町村が中核市にという目指すべき姿を提示している以上は、府内市町村の合併など体制整備については、知事が先頭に立って、さらなるスピード感を持って進めていくべきであると考えます。今回設置される研究会を初め、さらなる市町村間の連携を促進する場づくり、機運醸成に、大阪市に対してだけではなく、強いリーダーシップを持って取り組んでもらいたいと思っております。 ビジョンがうたう、自分たちのまちのことは自分たちで決める、自己決定、自己責任、自己経営の理念については、我々の考えと相通じるものがございます。さらなる取り組みをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴、ありがとうございました。 ○副議長(奴井和幸君) 次に、山本大君を指名いたします。山本大君。 ◆(山本大君) 大阪維新の会大阪府議会議員団の山本大でございます。 通告に従い、順次質問させていただきます。 私は、平成二十七年四月の初当選より、障がい者の就労支援に取り組んでまいりました。平成二十七年の九月定例会での初めての一般質問、そして平成二十六年度、二十七年度の決算特別委員会において、障がい者の就労支援に関し質問させていただき、その都度、丁寧で前向きな御答弁をいただいてまいりました。大阪府として、真剣に障がい者の就労支援に取り組んでいただいていることを承知しております。 また、私の地元摂津市にあります府立摂津支援学校、そして同じく府立とりかい高等支援学校に伺う機会もあり、また他の支援学校、高等支援学校にも視察に行くこともあります。その中で、たくさんのお話をさせていただくことで、教職員の皆様も一生懸命、児童生徒たちと向き合っていただいておられることも承知しております。本当にありがとうございます。 学校現場などで、児童生徒たちやその保護者の皆様とお話しさせていただくことが多々ございます。その中で、やはり多いのは、子どもたちの夢や将来への希望と不安、これについてです。現在では、障がい者を取り巻く環境も年々よくなってきておりますが、自立への道、そして進路は大きく開けているとはまだまだ言えません。 そこで、本日は、とりわけ高等支援学校での教育課程について伺いたいと思います。 府では、職業学科のある知的障がい高等支援学校が五校整備され、通学区域は、大阪府内全域となっています。各校とも定員を定め、入学者選抜が実施されており、常に定員を上回る出願があるなど、知的障がいのある生徒たちのニーズが高いと伺っております。 高等支援学校の科目は、主としてものづくりや農園芸作業、食品加工、流通サービス、福祉関連などの職業に関するもので構成されており、卒業後直ちに就労につなげることができるようなカリキュラムとなっておりますが、多様化する生徒、そして保護者や企業のニーズに、これからは一層対応していくことが求められます。 先駆けとなったたまがわ高等支援学校は、平成十八年度に開校して十年目となっております。高い就職率を誇っているものの、今後は、職業選択の幅を広げることができるような学習内容にしていくべきではないかと思います。例えばパソコンに向き合う時間を多くしたカリキュラムの編成など、障がいのある生徒たちも個々のニーズに合わせた学習ができれば、さらに高等支援学校が魅力ある学校になるのではないかと思いますが、教育長に御所見を伺います。 ○副議長(奴井和幸君) 教育長向井正博君。 ◎教育委員会教育長(向井正博君) 現在、知的障がい高等支援学校五校におきまして、就職に向けて必要となる基礎的な力を育むため、生徒のニーズに合わせた学習内容を選べますように、生産技術科、食とみどり科、流通サービス科などの学科を設置いたしております。 たまがわ高等支援学校は、設立十年が経過をし、この間、社会情勢や企業ニーズは大きく変化してきております。それに伴いまして、現在、同校では、ICTの活用やパティシエによります技術指導など、授業の充実に取り組んでいるところでございます。 今後は、障がいのある生徒の特性とニーズに応じた新たな教育課程の編成につきましても、学校と具体的に協議をしてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 山本大君。 ◆(山本大君) ただいま教育長から、教育課程の編成について、これから学校と具体的に協議してまいりますと力強い御答弁をいただきました。ありがとうございます。 私は、五校ある高等支援学校それぞれに一つずつでもいいので、特別な職業学科ができればいいなと思っております。例えば--これは本当に例えばなんですが--たまがわ高等支援学校にはパティシエ科、むらの高等支援学校にはコンピュータープログラム科、そしてとりかい高等支援学校には美容エステ科などなど、またスポーツ科や芸術科などあってもいいのではないかと思っております。これからの子どもたちの進路や職業選択の幅を広げるためにも、しっかりと御対応いただけることを願います。 次の質問に移らせていただきます。 摂津市の治水対策について伺います。 平成二十七年九月の関東・東北豪雨や、ことし七月の九州北部豪雨など、近年、全国で想定を超える豪雨による被害が頻発しております。 大阪府では、平成二十二年六月に策定した今後の治水対策の進め方に基づき、施設規模を超える水害でも人命を守ることを基本理念として、河川改修やダム建設などのハード対策に、住民みずからの避難行動を支援するソフト対策を組み合わせた治水対策を進めていると聞いております。 私の地元摂津市域は、淀川と安威川の堤防に囲まれた低い土地が広がり、過去から浸水被害に悩まされてきたところであり、浸水対策の重要性を感じております。 そこで、まずは摂津市域の浸水対策の取り組みについて、都市整備部長に伺います。 ○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。 ◎都市整備部長(井出仁雄君) 摂津市域の浸水対策につきましては、時間雨量五十ミリ程度の降雨への対策を行っており、大阪府が実施する河川改修と流域下水道の整備は完了しており、現在、摂津市が関連する公共下水道の整備を進めております。 さらに、河川の氾濫に対しましては、時間雨量八十ミリ程度の降雨に対応することを目指し、摂津市域を含め広範囲で甚大な被害が想定される安威川では、上流でのダム建設を進めるとともに、大正川、山田川などでは、ため池を活用した治水対策に取り組んでおります。 あわせて、いざというときに住民の皆さんが適切に避難していただけるよう、河川カメラによる防災情報の提供を進めております。 ○副議長(奴井和幸君) 山本大君。 ◆(山本大君) 引き続き、浸水対策を着実に進めていただきたいと思います。 一方で、国が、ことし六月に公表した淀川の洪水浸水想定区域図では、一千年以上に一回の豪雨で淀川が破堤した場合の浸水の深さや浸水継続時間などが示されました。 こちらのパネルをごらんください。 今回、公表された目的の一つは、危険な区域からの避難を推進するためと聞いておりますが、摂津市域の淀川と安威川に囲まれた地域では、大部分が、最大二週間程度も浸水が継続することが想定されており、摂津市の地形的な特性を改めて認識いたしました。 淀川の洪水に対しては、淀川沿いの市町と国、府などで構成される淀川管内水害に強い地域づくり協議会において、住民の主体的かつ適切な避難行動や水防活動の強化、都市機能等の早期回復のための排水活動強化などの淀川の減災に係る取り組み方針が作成されたと聞いております。 この取り組み方針の内容も踏まえながら、摂津市域における長期間の浸水に対して、関係者が連携して早急に対策を行うべきと考えますが、府としてはどのように取り組むのか、都市整備部長に伺います。 ○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。 ◎都市整備部長(井出仁雄君) 摂津市が策定しております地域防災計画では、浸水の深さや範囲を想定して避難方法を定めております。 このたび、千年以上に一度の降雨に伴い淀川が氾濫した場合の浸水想定が示され、浸水に伴う長時間避難の必要性が明らかになったことから、避難期間という新たな視点を加え、長時間避難を想定した情報発信や避難するための時間を考慮した避難勧告の発令などについて、国、摂津市とともに速やかに検討してまいります。 加えて、少しでも早く浸水を解消するため、たまった水を適切に周辺河川に流すことが必要であり、今回の洪水浸水想定区域図では考慮されていないポンプ場や番田水門からの排水に加え、ポンプ車も活用した排水計画を国、摂津市と連携して策定してまいります。 これらの取り組みを通じて、住民の方々の適切な避難行動を促進するとともに、社会経済活動への影響の最小化に努めてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 山本大君。 ◆(山本大君) 先ほどのパネルでごらんいただいたとおり、真っ赤に塗られた地域にお住まいや職場がある府民にとっては、千年以上に一回の低頻度の想定だと言われても本当に不安は募ります。雨のシーズンには、五十年に一回、百年に一回の雨が毎日のようにこの日本のどこかで起こっているのが現状です。 また、ちょうど百年前の一九一七年十月、高槻市内にて淀川堤防が決壊し、遠く西淀川区まで広域的に浸水したという歴史もございます。 避難行動というソフト面、そしてたまってしまった水を迅速に排水するという対応も、本当に重要でございます。それに加えまして、またハード面においても国に要望するなど、改めてその対応を住民といたしまして要望しておきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 続いて、グランドデザイン・大阪における鉄道ネットワークについて質問させていただきます。 鉄道は、府民の暮らしを支える重要な交通インフラであり、人々の移動をスムーズにし、地域間の交流を拡大させることによって大阪を大きく発展させるものです。このため、行きどまりとなっている路線を延伸し、つないでいくことで、さらに利便性を高める必要がございます。 グランドデザイン・大阪では、鉄道ネットワークの充実を掲げており、北大阪急行、大阪モノレール、中之島線などの延伸、そして私の地元では地下鉄八号線延伸などさまざまな路線を示していただいております。 そこで、まずこのグランドデザイン・大阪に示す鉄道ネットワークの考え方について、住宅まちづくり部長に伺います。 ○副議長(奴井和幸君) 住宅まちづくり部長山下久佳君。 ◎住宅まちづくり部長(山下久佳君) グランドデザイン・大阪は、二〇五〇年を目標とする大都市大阪の都市空間の姿をわかりやすく示すため、大阪らしいポテンシャルを持つ象徴的なエリアとインフラの活用整備について、大きな方向性を掲げたものです。 鉄道インフラにつきましては、放射環状ネットワークの形成や広域拠点へのアクセス性の向上という考え方のもと、中長期的な視点に立って、新たな路線や既存路線の延伸について、鉄道ネットワークの充実としてお示ししたものです。 ○副議長(奴井和幸君) 山本大君。 ◆(山本大君) ありがとうございました。 それでは、私の地元摂津市に関係する既存路線の延伸について、個々に伺いたいと思います。 パネルをごらんください。 現在、北大阪健康医療都市、愛称健都では、国立循環器病センターを中心とするまちづくりが進められていますが、私は、井高野駅が終点となっている地下鉄八号線--今里筋線、これを阪急正雀駅、JR岸辺駅まで延伸すれば、より交通利便性が高まると期待しております。これは、先ほどのグランドデザイン・大阪にも一部記載いただいております。 また、地下鉄二号線--谷町線につきましては、平成元年の運輸政策審議会答申において、高槻方面への延伸の必要性について検討すべき路線として位置づけられておりました。しかし、その後、平成十六年の地方交通審議会答申では、位置づけがなされませんでした。 これらの地下鉄路線の延伸は、摂津市初め北大阪地域全体の発展に寄与するとともに、大阪の鉄道ネットワークを充実する路線であると考えております。これらの鉄道延伸を一歩でも前へ進めるためには、具体的にはどのような取り組みを行う必要があるのか、また府はどのような役割を担うのか、都市整備部長に伺います。 ○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。 ◎都市整備部長(井出仁雄君) 鉄道延伸の具体化には、将来にわたって採算性が確保されることとともに、運行を担う鉄道事業者が主体的に検討を行うことが必要です。 地下鉄八号線及び地下鉄二号線の延伸については、これまで需要予測などの検討が行われておりますが、現時点では、運賃収入により鉄道の運営費を賄うことが難しく、鉄道事業者が積極的に取り組める状況に至っておりません。 このため、地元市が、沿線におけるまちづくりや拠点づくりについて、さらなる具体的な検討を行い、より一層の需要創出策を講じる必要があり、大阪府としては、地元市の取り組みに対し、必要な助言や検討への協力などを行ってまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 山本大君。 ◆(山本大君) 沿線の府民は、地下鉄延伸の実現に大変期待しております。健都では、健都イノベーションパークへの企業立地が進んでおり、また摂津市内の鳥飼地域でも住宅の立地が新たに進んできております。また、このような状況の中で、鉄道需要創出に向けた取り組みを進めていくことが、具体化の一歩につながると思っております。 一方で、この地域は、東京と大阪、日本を牽引していくべき東西のツインエンジンを結ぶ国土軸に当てはまり、また私が、二年前の一般質問のときも申しましたが、大阪都心より十キロ圏内で中央環状線、そして近畿道のインターもある魅力的な地域です。大阪府としても、引き続き地下鉄八号線においては、吹田市と摂津市、また地下鉄二号線においては、寝屋川市を初め摂津市、茨木市、高槻市への助言や協力など、それと広域行政を担う府としての積極的なリーダーシップを発揮いただけるようお願いしておきます。 それでは、最後の質問となります。 私の地元の摂津市を東西に通る都市計画道路十三高槻線は、大阪市から高槻市までを結び、大阪の放射軸を形成する重要な幹線道路です。 現在整備が進められている正雀工区は、摂津市域は既に完成しており、吹田市域において事業を進められていますが、現在の正雀工区の進捗状況について、都市整備部長に伺いたいと思います。 また、この正雀工区が完成すると、大阪市から大阪中央環状線方面の交通がスムーズになりますが、その一方で、中央環状線に流入する車両が増加することとなり、またその交差部では、さらなる渋滞の発生が懸念されます。この交差部では、中央環状線を左折のみ、つまり北行きにしか進めず、北東の高槻方面へ向かうには十三高槻線一本では行けないために、周辺の生活道路へ迂回する車両がふえてくると思われます。 この点については、平成二十七年九月議会で質問したところでございますが、改めてこの十三高槻線と大阪中央環状線との交差部の対策について、どのように取り組んでいくのか、都市整備部長に伺います。 ○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。 ◎都市整備部長(井出仁雄君) 都市計画道路十三高槻線の正雀工区については、阪急京都線との立体交差部を含む約六百五十メーターの区間において用地買収を進め、現在約九二%が買収済みであり、残る箇所についても、早期に合意が得られますよう交渉を続けております。 また、用地買収を終えたところから、順次下水道などの地下埋設物の移設を進めており、来年度から阪急京都線の送電線の移設や鉄道をまたぐ橋梁の整備工事に着手いたします。 十三高槻線と大阪中央環状線との交差部につきましては、国による最新の交通量調査結果をもとに、今年度、詳細な交通量予測や正雀工区が完成した際の交通処理方法について検討を行い、来年度以降、警察を初め関係機関との協議を進めてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 山本大君。 ◆(山本大君) 幹線道路である十三高槻線の一日でも早い完成を本当に願っております。 正雀工区の吹田市域には、関西最大規模の物流センターが開業いたしました。また、すぐ北側にあり、摂津市と吹田市にまたがる北大阪健康医療都市--健都のまち開きが平成三十一年に控える中、この正雀工区の完成は必要不可欠です。 また、中央環状線との交差点についても、現状のままでは周辺道路への影響が生じることは明らかであり、早期に対策を講じていただくことを要望しておきます。 さて、このたびの一般質問では、私のライフワークとしております障がい者の就労支援、そして防災、減災への取り組み、そしてグランドデザイン・大阪の推進、これらを局所的観点で質問させていただきました。 改めて、結びにはなりますが、全ての人々にしっかりとチャンスが与えられ、地域住民の皆様が安全にかつ安心して暮らすことができ、そして何よりも活気あふれる、そんな大阪府になることを願い、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴、ありがとうございました。 ○副議長(奴井和幸君) 次に、橋本邦寿君を指名いたします。橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) 自民党・無所属 大阪府議会議員団の橋本邦寿です。通告に従い、質問をいたします。 まず、ことしの七月三十一日、文化審議会世界文化遺産部会が開かれ、百舌鳥・古市古墳群が、平成二十九年度のユネスコへの世界文化遺産推薦候補に決定されました。府民の一人としてまことに喜ばしく、堺市民を初め大阪府民の期待もますます膨らんでおられることと思います。文化財に対する府民、市民の愛着は、まちの活性化に有効な資源であることは、府民全員が理解しているところでございます。 さて、関西で観光といえば、建都千二百余年の京都を初めとして多数の観光名所があります。金閣寺、銀閣寺はもちろん、三十三間堂や清水寺などの寺院は有名であります。御承知のとおり、金閣寺、銀閣寺は、室町幕府の足利義満、義政が建てた禅宗のお寺、三十三間堂は、平安後期に法皇として君臨した後白河法皇が建てた天台宗のお寺、そして清水寺は、平安初期の征夷大将軍坂上田村麻呂によって建立された法相宗のお寺と記憶をいたします。 この三つの宗派は、浄土宗や真宗のように信徒の多い宗派とは異なり、おおよそ当時の民衆の信仰とは縁の薄い宗派で、大勢の信者のために建てたものではなく、各宗派の執行部が時の権力者を動かして、権力を誇示できる後世に名を残す寺院を、極めて貧しい時代にもかかわらず建てさせたと思うわけでございます。 同じような話は、外国にもあります。年間観光客八千二百万人で世界一のフランスのベルサイユ宮殿は、ルイ十四世がラ・バリュールという正式な妻ではない女性のために建てた宮殿です。時代は、フランス革命が起こる直前でありますから、民衆の生活は極めて貧困であったと思われます。なぜ、貧困に満ちた当時の民衆にとっては壮大な無駄と思われ、憎悪の対象であった建物が、今では観光の目玉商品となり、世界遺産や文化財としての価値や地位を誇示できるのでしょうか。 そして、時代を昭和や平成に目を移しますと、今から何百年かたって、我々の子孫が我々の生きている大阪の昭和や平成の構造物を歴史として冷静な目で見たときに、どのような評価をするのでしょうか。また、後世の人々に残せるような文化を今大阪の私たちは創造しているのでしょうか。単に大阪に万博やカジノ、IR施設を誘致して経済を活性化する、それだけでよいのでしょうか。 そこで、今回、大阪府が誘致を進めているカジノIR事業が、現代版壮大な無駄になってしまわないのか、日本の芸術文化の創造に寄与できるのかという心配の観点から質問をさせていただきます。 まず初めに、海外の先行事例を見てまいりたいと思います。四月に、韓国十六カ所目の外国人専用カジノを含むIR施設としてオープンしたパラダイスシティーは、仁川空港に近く、広さは約三十三万平米あると聞いています。しかし、オープン後、中国人客の不振が響き、期待するほどの収益も上がらず、四月から六月の営業損益は約二十億円の赤字と伝えられています。 大阪にIRがオープンした場合、韓国のように期待するほどの効果が見込めない可能性もあるのではないかと懸念をしております。大阪のIRに成功の見込みはあるのか、IR推進局長の見解をお伺いいたします。 ○副議長(奴井和幸君) IR推進局長坂本篤則君。 ◎IR推進局長(坂本篤則君) 我が国のIRについては、国の取りまとめにおいて、区域数を厳格に限ることとしており、また自国民に対しては入場料を賦課するなど、ギャンブル依存症対策を講ずることとされております。 IR誘致を進めている夢洲は、豊富な観光資源を有する関西の中心に位置し、空港や都心からも近く、またIR実現に向けて大きな投資を呼び込むために必要となる広大な土地を有し、非日常空間を創出することができるなど、ポテンシャル、優位性とも高いレベルにあり、魅力ある立地であります。 こうした魅力ある立地環境のもと、民間の自由な発想を生かし、国際競争力の高い世界最高水準のIRを実現させることで、国内外から多くの来訪者を呼び込み、大阪のIRを成功に導くことができるものと考えております。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) IRの誘致に伴い、懸念されるのが治安や地域風俗環境への影響です。韓国のカンウォンランドでは、対策が後手に回り、IR開業直後は、犯罪発生件数が大幅に増加し、治安の悪化を招いています。 大阪においても、IR開業後、国内外から多くの観光客が訪れることにより、地域経済の活性化などのプラス効果もありますが、犯罪やトラブルの増加、反社会的組織によるマネーロンダリングなどマイナス面が懸念をされます。 治安や地域風俗環境の悪化を招かないためにも、万全の取り組みを実施していく必要がありますが、どのような対策を考えているのか、IR推進局長にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) IR推進局長坂本篤則君。 ◎IR推進局長(坂本篤則君) IRの誘致に伴い、国内外から多くの観光客が来阪することで、治安や地域風俗環境への影響を懸念する声もあると認識をしております。 このため、犯罪抑止対策や組織犯罪対策など、想定される課題について、大阪府警察の協力を得て、実施すべき取り組みの検討を行い、このたび、府市のIR基本構想案中間骨子の取りまとめを行ったところであります。 その中で、防犯環境の整備、犯罪収益対策、IR事業者による自主警備の徹底など、地元自治体、警察、IR事業者がおのおのの役割を果たし、万全の対策を実施することで、良好な治安及び善良な地域風俗環境の確保に努めてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) その取りまとめられたIR基本構想案中間骨子によると、夢洲の第一期エリアにIRが開業した場合、一年間に約一千五百万人が利用し、運営による経済波及効果は毎年六千九百億円とのことです。また、雇用創出効果は、年間八・三万人と見込んでいます。 これらの試算は、昨年度に大阪市が行った夢洲での民間事業者からの事業アイデア募集をもとに、集客人口や施設規模を想定して算出されたとのことですが、実現できるのか、その数字なのか疑問です。 夢洲は、大阪市の西の端にある人工島で、周囲には広大な空き地が広がるのみで、鉄道や道路のアクセスをどう改善しても、市内中心部から三十分はかかります。先行事例としてよく挙げられるシンガポールのIRとは違います。シンガポールのIR施設は中心部にあり、著名な観光地にも近い立地条件にあります。 また、IRは、成功事例ばかりではなく、先ほど申し上げたとおり、韓国のパラダイスシティーのように、当初期待したほどの収益が上がっていない例もあります。これらのことも踏まえて、もっと地に足のついた試算をすべきと御指摘をしておきます。 次に、大阪府のBCPについてお伺いをいたします。 昨年の熊本地震では、複数の市と町で災害対策の拠点となる庁舎が損壊し、迅速な災害対応に支障がありました。行政機能を維持するための業務継続計画、いわゆるBCP策定の重要性が、改めてクローズアップされました。 府においては、いち早くBCPを策定し、南海トラフ巨大地震の被害想定を踏まえた抜本的改訂や、この二月には、府庁本館の耐震化などを踏まえた改訂を行い、これを受けて、各部局版のBCPも策定、改訂が進められていると聞いています。 BCPは、災害応急対策と優先度の高い業務とをあわせた、いわゆる非常時優先業務の実効性を補完するために必要な職員や庁舎、電力、情報通信設備などを確保することを目的とする計画であり、平常時から点検、確認が重要となります。府の取り組みはいかがでしょうか、危機管理監にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 危機管理監大江桂子君。 ◎危機管理監(大江桂子君) 本府では、平成二十一年度に府庁BCPを策定し、随時改訂を行ってきており、お示しもありました本年二月には、府庁本館が耐震化により災害時も利用可能となったことや、職員備蓄を三日分とするといった改訂を行いました。 また、地震災害時に迅速かつ的確に非常時優先業務を継続するためには、平常時より、職員がその意義や目的を理解しておくことが必要であることから、毎年、新規採用職員を対象とした研修や、大阪八百八十万人訓練、一月十七日の地震・津波災害対策訓練などの機会を捉えて、BCPの点検、確認を行っております。 引き続き、各部局と連携し、職員の意識や災害対応能力の向上に努めるとともに、必要に応じてBCPの改訂を行うなど、非常時優先業務の実施体制の確保に努めてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) 非常時優先業務がしっかりとできるよう、引き続き平常時からのBCPの点検、確認をお願いいたします。 次に、市町村BCPについてお伺いをいたします。 八月二十三日の早朝、吹田市を中心として大規模な停電が発生し、民間病院では、救急患者の受け入れや診察を見合わせたり、人工透析が必要な入院患者を別の病院に移したりするなど、市民生活に大きな影響が出ました。また、吹田市役所においても一時停電となり、外線電話がつながりにくくなったことや、一部ネットワークが使用不可となったこと、さらに住民票や戸籍謄本の発行ができなくなるなど、住民サービスに支障が出る事態となり、日ごろからの備えの重要性が改めて浮き彫りになりました。 やはり、本庁舎の耐震化は当たり前ですが、もし耐震化ができていないのであれば、代替庁舎の特定、非常用電源の確保、加えて非常時優先業務の整理など、市町村においてもBCPとしてあらかじめ定めておくことが必要です。 総務省の発表によりますと、大阪府内の自治体の策定状況はまだまだ低いようですが、府内四十三市町村のBCPの進捗状況と、市町村のBCP策定を促す府の取り組みについて、危機管理監にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 危機管理監大江桂子君。 ◎危機管理監(大江桂子君) 本府では、市町村の取り組みを促すため、市町村BCP策定の手引書を作成し、説明会を実施するなど、支援をしてきました。とりわけ、熊本地震後においては、市町村向けの実践セミナーの開催や個別ヒアリングの実施などにより、一層の支援を行ってまいりました。 現時点では、二十六団体で策定済みとなっておりますので、今年度中に府内全ての団体で策定がなされることを目指し、七月の市長会、町村長会において、BCPの重要性を説明し、早期策定を強く要請したところでございます。引き続き実務的な支援、働きかけを行い、府域全体の災害対応能力の向上を図ってまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) 次に、障がい者スポーツの振興についてお伺いいたします。 平成二十八年九月、リオパラリンピックが開催されたことは記憶に新しいところです。しかし、平成二十五年度の調査では、過去一年間にスポーツ、レクリエーションを週一回行った人は、成人の四〇・四%に対し、障がい者は一八・二%と一般の人の半分以下であり、障がい者スポーツの普及が急務となっています。 平成二十六年度からは、スポーツ振興の観点が強い障がい者スポーツ事業が、厚生労働省から文部科学省に移管され、スポーツ施策として一体的に推進されています。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを三年後に控えた今、大阪府においても、障がい者スポーツの施策の一層の推進が待ったなしでございます。そのため、我が会派は、代表質問で障がい者スポーツに関する庁内連携の場を設けることについて提案し、知事から、関係部局がしっかり連携して障がい者スポーツを盛り上げる場を設け、取り組むとの答弁がありました。具体的には、どのような連携の場とするのか、福祉部長にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) 障がい者スポーツの推進については、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催も踏まえ、福祉部のほか、府民文化部、教育庁などそれぞれの部局が所管をし、連携して取り組んでいます。 今後、この連携をさらに強化するための体制として、関係部局の障がい者スポーツ施策に、障がい者スポーツの中核施設であるファインプラザ大阪の機能をフルに活用していただくように、同施設を所管する福祉部として定期的な連携会議を設置、運営をいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) 今後、庁内連携を進める上で、特に重要なのが支援学校との連携です。在学中から卒業後まで切れ目ない支援、かかわりが確保されなければなりません。特に福祉部と府民文化部、教育庁で強力なタッグを組んでいただくようにお願いをしておきます。 さきの我が会派の代表質問で、支援学校での運動部活動の推進について質問した際、教育長から、支援学校における運動部活動のあり方について、ことしじゅうにモデル校を設定し、検討する由の答弁がありました。本日は、この点について、もう少しお聞かせください。 先般、我が会派で、日本ボッチャ協会の代表理事で大阪府立大学教授の奥田邦晴先生を招き、ボッチャ競技について講演をしていただきました。 私自身は、二年前から、地元の松原市が主催する松原市障がい者スポーツボッチャ大会に参加しており、以前からこの競技を知っていましたが、ボッチャを御存じない府民はまだまだ多いと思います。 ボッチャとは、重度四肢麻痺者が参加可能なスポーツで、パラリンピックの正式種目にもなっています。競技は、赤、青の二チームに分かれ、目標球となるジャックボールと呼ばれる白いボールに、自身のチームカラーのボールである赤、青各色六球を投げたり、転がしたり、ほかのボールに当てたりして、いかに自分のチームの球を白い目標球に近づけるかを競うスポーツです。 また、障がいにより自分で投げることができなくても、介助者がチームの一員として補助することが可能で、障がいのある人もない人もともに楽しめるスポーツです。 二〇一六年のリオのパラリンピックでは、ボッチャの日本チームが銀メダルを獲得し、同チームは日本パラスポーツ賞優秀賞も受賞されています。 そのチームの一員である廣瀬隆喜選手が、平成二十七年十二月五日に松原市で開催された障がい者スポーツボッチャ大会にゲストとして参加されていました。ことしも、十一月二十五日の松原市ボッチャ大会には、メダリストとしてゲストで参加されるとのことで、障がいがあってもスポーツに取り組む姿で皆に勇気を与えておられます。 私は、障がいがあっても、世界を目指して練習に励み、世界をつかむことができる、その可能性が誰にでもあるのだということを子どもたちに感じてもらうことは、非常に意義があることだと考えています。 そこで、将来的にはパラリンピアンを発掘することも念頭に、このスポーツをぜひ府内の支援学校の運動部で取り入れるべきだと考えています。支援学校における運動部活動のモデル校としての取り組みの一環で、ボッチャクラブを設立することができないのか、教育長にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 教育長向井正博君。 ◎教育委員会教育長(向井正博君) 障がい者スポーツにつきましては、近年、その競技性が著しく向上していることや、共生社会への社会的関心の高まりなどから、注目度が高まっております。 議員お示しのボッチャにつきましては、障がいのあるなしにかかわらず楽しめる競技と捉えられておりまして、パラリンピックの種目としても注目をされております。 また、将来性豊かなアスリートを日本全国から発掘、育成をいたします公益財団法人日本体育協会のジャパン・ライジング・スター・プロジェクトにおきまして、大阪府は、ボッチャ競技の拠点府県となっております。去る九月二十八日には、ボッチャ競技大阪府実行委員会が設立をされました。 今後、大阪府内で合宿やトレーニング等が行われることとなっておりまして、教育庁といたしましても、府民文化部や福祉部とも連携をしながら積極的に参画をしてまいります。 このような状況を捉え、運動部活動のモデル校を設定する際には、肢体不自由校におけるボッチャクラブ設置につきまして、具体的な取り組みを進めてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) 廣瀬選手は、ボッチャへの関心は高まったが、それでも国内でのボッチャの認知度向上こそが大事だと感じておられます。それは、障がい者スポーツの普及のためには、障がい者が利用しやすい施設や指導者の不足が課題となっていると考えているからで、インタビューでも、「ボッチャ専用の練習場所はほとんどありません。公共施設などの体育館を借りて練習しています。許可をもらって、ラインを引けるところは引いてコートをつくるという作業を毎日しています。もっとボッチャをやれる場所があればいいなとは思います」と答えておられ、ボッチャをてこに、障がい者スポーツを楽しめる社会的環境づくりを一層進めていくことが大切だと考えています。 大阪府には、障がい者スポーツの広域的中核施設として、障がい者交流促進センター--ファインプラザ大阪がありますが、この施設を軸にボッチャのさらなる振興を図ることはできませんか、福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) ファインプラザ大阪では、これまでも陸上や水泳、サウンドテーブルテニスのほか、ボッチャについても選手育成練習会を実施するなど、競技スポーツとしての振興を支えてまいりました。 今後、府民文化部や教育庁の取り組みともしっかりと連携をしながら、ファインプラザ大阪を拠点として、指導員の派遣、練習場所の提供を行うなど、一層の振興を支援してまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) ボッチャは、子どもからお年寄りまで誰もが楽しめるスポーツで、松原市の大会では、身体障がい者だけではなく、知的障がい者や精神障がい者、市内の小学生など幅広く参加し、ふだんスポーツをする機会の少ない障がい者がスポーツに親しむ機会となっています。 また、さまざまな機関や団体--法務局、大阪府立大学の大学生、人権擁護委員、支援学校、ボランティア団体等--がボランティアとして協力をし、参加者とともにスポーツを楽しむことで心のバリアフリーにつながっています。 さきに御紹介しました奥田先生もおっしゃっていましたが、障がい者スポーツのほとんどの競技が、一般種目を障がい者にも対応させたものである中、ボッチャはもともと障がい者向けのスポーツとして考案されたもので、これを障がいのない人の種目として広げることで、さらなる障がい者理解につながる種目であるということです。私自身も、松原市の大会において競技に参加し、ボッチャのすばらしさを体感してまいりました。 先ほど、ファインプラザ大阪を軸に、ボッチャのさらなる振興を支援するとの力強い答弁をいただきましたが、ぜひ障がいのない人たちの種目としても、ボッチャを広くPRしていただけないか、福祉部長にお伺いをいたします。 ○副議長(奴井和幸君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) お示しのとおり、障がい者向けスポーツとして考案をされた種目であるボッチャを障がいのない人の種目としても普及を図っていく、このことは、障がい者理解を進める上で非常に有効であると認識をしています。 福祉部では、平成二十七年度から今年度まで、府内小中学校等へのパラリンピアンの派遣のほか、障がい者スポーツの体験イベントの開催などを展開してまいりました。 今後、この取り組みの成果を生かして、府民文化部や教育庁とも連携をして、府内小中学校などにおける障がい者スポーツ体験プログラムの検討を進めますので、その際、御提案のボッチャを軸としたプログラムとしてまいります。 ○副議長(奴井和幸君) 橋本邦寿君。 ◆(橋本邦寿君) 現在、大阪府障がい者スポーツ大会においては、陸上競技、水泳、卓球、アーチェリー、ボウリング、フライングディスクの六競技が行われています。このうち、パラリンピックの正式種目は、陸上競技、水泳、卓球、アーチェリーとなっています。二〇二〇年東京パラリンピックでは、二十二競技が開催されます。ぜひ、大阪府の障がい者スポーツ大会においても、ボッチャ等パラリンピックの競技も積極果敢に取り入れ、魅力ある、そしてより多くの障がい者アスリートの発掘につながるものとなるよう、取り組まれることを要望しておきます。 結びになりますが、今議会でも、副首都になるために、都市機能の充実、インフラの整備などいろんな質問、議論が交わされました。しかし、副首都を目指す上で、一番大切なことが欠けています。それは、日本全国の各都市から大阪が一番尊敬される都市になることです。障がい者を含めた生活弱者にやさしい日本一のまち、事故、犯罪の少ない安心で安全日本一のまち、全国学力テストでもどこにも負けない知識と教養と笑顔に満ちあふれる大阪のまちになること、それが世界の都市から尊敬されるまちとなり、副首都と認められる基本、本筋であることを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(奴井和幸君) この際、休憩いたします。午後二時三十分休憩    ◇午後二時五十五分再開 ○議長(大橋一功君) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により横倉廉幸君を指名いたします。横倉廉幸君。 ◆(横倉廉幸君) 大阪維新の会大阪府議会議員団、横倉康幸でございます。 発言通告に従いまして、順次お尋ねをいたします。 継続は力なり、昭和六十年の初当選以来、大阪府議会議員として大阪の発展と府民の幸せを願い取り組んできた課題の一つが、私のライフワークとも言えます水都大阪の再生であります。これまでの議会活動の中で、機会あるごとに水都大阪の再生についてさまざまな提言や活動を行ってまいりました。 そこで、今回も、まず水都大阪の取り組みについてお聞きをいたします。 水辺のにぎわいづくりにつきましては、中之島エリアを中心に、水辺の拠点整備や夜間景観としての橋梁・護岸のライトアップ、親水性遊歩道やみどり空間の創出など、さまざまな基盤整備が進み、特にここ十年くらいで魅力ある水辺の風景がふえて、三十年前とは大きくさま変わりをしたと実感しております。 ことしは、御承知のとおり、大阪港が開港されて百五十年、七月には、大阪港開港百五十周年の記念式典が盛大に行われました。 パネルをごらんいただきたいと思います。 百五十年前に開港した大阪港というのは、この中之島ゲートエリアにあります川口であります。この川口という地名は、古くは、織田信長の一代記であります信長公記に木津川口の戦いとして記され、この木津川口の川口、これがこの川口の名に由来されるとされております。 この川口は、幕末には、横浜や神戸などとともに開港の地とされ、税関の前身であります運上所が、今から百五十年前の慶應三年(一八六七年)に設置され、翌年には、五代友厚が外国官判事として着任した歴史的な場所であります。川口には、大阪港開港に伴い設けられた居留地も設置されたエリアであり、その居留地の東側を流れる木津川の対岸江之子島には大阪府庁が建設されるなど、まさに明治・大正時代の大阪の文明開化、近代化に重要な役割を果たした地域でもあります。 ここで、初代の大阪税関長であり、また初代の大阪商工会議所の会頭に就任をした五代友厚について、少しお話をさせていただきたいと思います。 この方は、先ほども申し上げましたように、明治元年(一八六八年)に外国官判事として、そして大阪府判事、この兼任で大阪に赴任をし、大阪運上所の初代所長として、また大阪府の上級官僚として大阪府政にも大変尽力をされた方であります。大阪での活躍の一部を紹介しますと、造幣局をこの大阪へ誘致したのも五代友厚であります。また、大阪株式取引所や大阪商工会議所を設立、そして大阪商業講習所--今の大阪市立大学--を創設するなど、まさに維新後の衰退した大阪経済の立て直しに活躍をした大阪経済界の重鎮の一人であります。 維新後の大阪の経済発展のために重要な役割を果たしたのが、五代友厚であります。そして、大阪の近代化に重要な役割を果たした場所が、川口地域であります。我々大阪人が、忘れてはならない人物と場所だと思います。 この中之島ゲートの川口には、大阪開港の地の碑などがありますが、ここを訪れる人々のためにこの地域の歴史を知っていただくため、これらの碑や周辺の歴史的施設などを紹介していくなどの取り組みも進めていくべきだと常々考えております。 現在、この中之島ゲートエリアは、食と水と光、そして、舟運の拠点となる民間開発によるインナーベイマーケットリゾートを目指した整備が進められておりますが、私は、特に海と川の結節点にあるこの土地の特性を最大限に活用した取り組みを進めていく必要があると考えております。 具体的に言えば、海から水の回廊に向かう船、すなわち海の船が、水の回廊などを回る川の船にスムーズに乗り継ぎができるよう、船の係留場所、ターミナルを整備することによって、例えばUSJを訪れた観光客が、船を利用して川の船に乗りかえ、水辺の風景を楽しみながらミナミなどでショッピングに向かうとか、西宮のヨットハーバーからヨットで中之島ゲートまで来て、そして川の船に乗りかえ、大阪のまちを楽しむなど、さまざまなプランが実現できるのではないでしょうか。 このようなマリーナ化を初めとして、中之島ゲートエリアを整備することによる舟運の活性化について、府民文化部長にまずお伺いをいたします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 中之島ゲートエリアは、大阪城、USJ、海遊館といった大阪有数の集客拠点をつなぐ川の東西軸と水の回廊が結節する地域となっており、海や川、陸との乗りかえターミナルとして重要な位置にあると認識しております。 中之島ゲートは、現在、府市が一体となって取り組んでおり、南側のいわゆるサウスピアと呼ばれているところでは、平成三十一年度までの社会実験として、生きた魚の販売や海鮮バーベキューが楽しめる中之島漁港が運営されております。また、北側のノースピアでは、福島区が実施主体となって、この三月に海の駅の指定を受け、六月末には水上レストランがオープンいたしました。来年度以降、マリーナ事業として必要な係留サービス機能が整備される予定と聞いております。 大阪都市魅力創造戦略二〇二〇においても、水都大阪推進の方向性を示し、とりわけ水辺の魅力空間づくりや舟運活性化等を二〇二〇年までの重点取り組みとして位置づけております。今後、中之島ゲートエリアを初めとする水都大阪のさらなる舟運の活性化に取り組んでまいります。 ○議長(大橋一功君) 横倉廉幸君。 ◆(横倉廉幸君) 今進行中の北側のノースピアのマリーナ事業につきましては、私も大きな期待を寄せております。 しかし、この中之島ゲートエリアは、川口という地名が示すとおり、川の入り口であり、北も南もなくエリア全体の機能を発揮すべき場所であります。今大阪が誘致を進めています万博やIRが実現すれば、水上交通の活用というものが増大することは確実で、そのためにも、南側のサウスピアにおいては、今のこの社会実験が終了後、将来の本格開発に向けてマリーナ機能を持たせることをぜひとも検討していただきたいと思います。 今後再び重要な役割を担うこととなるこの川口エリア、今後のベイエリアの動向を踏まえつつ開発を検討すべき重要な場所であり、それだけに、現在進行中のものも含めて民間のインセンティブが十分に働くよう、また事業者が参入しやすい誘導策をしっかりと考えていただくということもお願いをいたしたいと思います。 次に、八軒家浜の整備についてお尋ねをいたします。 中之島ゲートエリアが、西側のターミナル化を目指す一方で、東側では、本年九月から八軒家浜船着き場より淀川をさかのぼって枚方を結ぶ運航が開始されるなどしており、この八軒家浜船着き場もターミナルとして整備する必要があると考えております。 現在の公共船着き場は、十分で発着しなければならないことに加え、船着き場直近には船舶が待機できる場所もないために、小型船事業者からは、事前に予約が確定しているチャーター船しか航行ができず、リアルタイムに乗客のニーズに応えられることができないといった声も聞かれております。 八軒家浜が、中之島の東側の舟運のターミナルとして機能を発揮していくためにも、このような課題にどのように対応をしていくのか、府民文化部長の所見をお伺いいたします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 天満橋の八軒家浜は、平成十九年に公共船着き場が整備されて以来、定期船やチャーター船の発着拠点となっております。 インバウンドの急激な伸びや水辺空間のにぎわいづくりなどを背景として、クルーズへの需要が大きくなる中、船が、一時的に客待ちをする場所の確保やターミナルとして必要な案内機能の充実などのニーズがございます。こうしたニーズに対応するため、現在、舟運事業者などにヒアリングを行っているところであり、その結果を踏まえて、引き続き八軒家浜における必要な機能について検討し、必要なことがあれば実施してまいります。 ○議長(大橋一功君) 横倉廉幸君。 ◆(横倉廉幸君) ぜひとも、舟運業者などとの綿密な話し合いのもとに、利用者にとって本当に快適なものとなるような整備をお願いいたします。 舟運を活性化させるには、河川のところどころに見どころをつくる仕掛けが大事であると考えます。例えば、水の回廊を船でめぐっていると、まだまだ回廊には未整備の地域が残されております。特に東横堀川は、上空を阪神高速道路が覆い、川沿いの景観も不足しております。本町橋などの貴重な橋があるものの、見どころが大変少ないと感じております。 インバウンドにも魅力を感じていただけるナイトクルーズの造成を進めるとともに、大阪らしい遊び心を持って楽しめる空間づくりに取り組んでいく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 議員お示しの東横堀川では、これまでも水辺の魅力向上を図るため、トライアルな取り組みとして、星のアーケードと銘打って、阪神高速道路の桁下や橋脚を利用した光による大阪の観光名所の投影やライトアップなどを実施してまいりました。また、東横堀川の舟運拠点である本町橋北側のエリアにつきましては、公民連携の組織体として四月に設置した水都大阪コンソーシアムが、地元関係者とともに市の下水道工事の復旧整備にあわせた魅力ある空間の創出に向け検討を進めております。 府としても東横堀川を初めとする水の回廊全体の集客力向上に向け、多彩なクルーズ商品の造成を促進するなど、関係者と連携して大阪の歴史的な資産である水都大阪の魅力ある空間づくりに努めてまいります。 ○議長(大橋一功君) 横倉廉幸君。 ◆(横倉廉幸君) 今お聞きしますと、先ほど写真でごらんいただいたあれが、多分、星のアーケードということで、トライアルの取り組みということでおっしゃっていると思うんですが、トライアルだけではなしに、常にああいった楽しい仕掛けをつくっていただきたいと思います。 以前、シンガポールに行ったときに、あのマーライオンが、さまざまなライトによって色や模様、また口から出ている水の色が変わるといった、そういった観光客が楽しめる仕掛けをシンガポールは行っているわけなんです。ちょうどこの東横堀は、そういった意味では阪神高速の橋脚があるわけですから、そこにいろいろなライトや、また今はやりの3Dマッピングなどを使って、そこを船が通る、おもしろい仕掛けになるのではないかなと。これが、また一つの水都大阪の魅力の一つになるということは間違いないと私は思っております。 早急にこういった仕掛けづくりも取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。 川の話だけではいけませんので、もう一つ、私がライフワークとしている教育の問題について、最後にお伺いをいたしたいと思います。 今議会におきましても、代表質問や一般質問の中で多く取り上げられております子どもの学力向上についてであります。私なりの思いを申し上げさせていただきたいと思います。 私は、学力向上を図るためには、小中学校の段階で、子どもたちの学習面でのつまずきをしっかりと把握して、そのつまずきが早いうちに何らかの手だてを打つことが重要だと考えております。 そのためには、子どもたちの理解度をきめ細かく把握している単元テスト、これの活用が重要だと考えておりますが、教育庁では、この間どのような取り組みを行ってきたのか、御所見をお伺いいたしたいと思います。 ○議長(大橋一功君) 教育長向井正博君。 ◎教育委員会教育長(向井正博君) 児童生徒の学力を向上させるためには、いわゆる単元ごと、学習のまとまりごとにテストを行うなど、学習した内容の定着状況につきまして的確に把握をし、評価をし、子どもたちのつまずきが改善されますように指導の工夫を重ねていくことが大切でございます。 教育庁といたしましては、全国学力・学習状況調査の結果等を踏まえ、平成二十年度からは、大阪府独自にテスト形式の教材を毎年度作成し、学校での学習指導におけるPDCAサイクルの取り組みを支援してきております。今年度におきましても、いわゆる全国学テで明らかになりました課題解決に向けた教材づくりを現在進めておりまして、今後、小中学校に提供をし、その活用につきまして丁寧に指導助言を行ってまいります。 ○議長(大橋一功君) 横倉廉幸君。 ◆(横倉廉幸君) 今お伺いしますと、全国学力テストで明らかになった課題解決に向けた教材づくりをして、今後の小中学校に提供して、その活用をもって指導助言をしてまいるという御答弁でしたが、これは、この今現在、学力テストを受けた子どもたちには何も返ってこないわけであります。やはり、その単元ごとに行うテストの結果で、その子どもが、どこでつまずいたかということが把握できれば、すぐにその子どものつまずきを補正してあげるということが、これが学力の向上にもつながりますし、その子ども自身にも学力の向上ということにつながっていくわけであります。 ですから、日々そういった意味で、学力の把握状況を調べる単元テストをもっと有意義に活用していただきますように申し上げておきます。 実は、私は、三年前にひょんなことからがん検診を受けまして、そのときに全く考えていなかったんですが、胃がんが発見されました。今から思うと本当にラッキーであったと。まさに、早期発見、早期治療。抗がん剤も全く使用せずに十日間、胃の三分の二を切除したんですけれども、たったそれだけなんです。退院するときには、何の薬ももらっていないという。やはり早期発見、早期治療、これは健康においても早く発見をして早く治療する、これがベストであります。 学校教育についても、全く同じことが言えると思うわけです。学力テストとかそういったものは、そのテストを受けた子どものためでなしに、その後に続く子どものために役に立つものだと私は思っておりますが、それよりも、現在試験を受けた子どもをどう手当てするか、そのことをもっともっと現場の先生方に十分に伝えていただいて、そしてその対応をするために、府としても何らかの手厚い支援をお願いしたいと思っております。 これからの大阪の人づくり。やはり、全国平均を見ましてもなかなか学力が向上しないという。これが、そのための一つの根治治療になると私は思っております。対症療法だけではなしに根治治療をしっかり考えた上で、この大阪の子どもたちのために頑張っていただきたいと思います。 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴、ありがとうございました。 ○議長(大橋一功君) 次に、加治木一彦君を指名いたします。加治木一彦君。
    ◆(加治木一彦君) 公明党大阪府議会議員団加治木一彦でございます。 一般質問の機会をいただきましたので、順次質問させていただきます。 まず、大阪府国際交流財団の機能強化に関連してお聞きします。 大阪府を訪れる外国人旅行者が、平成二十八年は約九百四十万人と過去最高を記録したことを初め、二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックといった大規模国際イベントの開催、二〇二五年の大阪万博の誘致など、国際化の流れはとどまることを知りません。また、大阪で暮らす外国人留学生や、さまざまな国にルーツを持つ子どもたちの数も年々ふえています。 学校現場は、日本語指導の充実と外国出身の保護者への対応に迫られ、多様な文化的背景を持つ人たちがともに暮らしていく多文化共生社会に向けた取り組みを進めております。 こうした中、外国人向けの生活相談や災害時の多言語による支援といった分野に強みを持つ大阪府国際交流財団について、我が会派が存続するよう強く求めてきたこともあり、府は、平成三十三年度末での廃止の方針を撤回、財団の存続を決めました。財団は、今後、外国人相談、災害時の多言語支援、それらを支える語学ボランティアの確保充実といった取り組みに重点を置き、将来は、地域における多文化共生の拠点機関を目指すことになります。 国際都市大阪の発展に財団が果たすべき役割は大きいものがあります。現在有するネットワークをさらに強化し、府民の期待に応えていただきたいと考えますが、財団は今後どのように取り組まれるのでしょうか。また、財団は、府政の推進に密接にかかわる指定出資法人であり、府がしっかりとイニシアチブを発揮すべきと考えますが、いかがでしょうか、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 大阪府国際交流財団については、将来、多文化共生機能における拠点機関となることを見据えつつ、外国人相談や災害時の多言語支援といった事業への重点化を図ることとしております。 財団では、現在、平成三十年度から五年間を計画期間とする次期中期経営計画の策定を進めています。その中でネットワークを強化するため、府内市町村や国際化協会、NPO法人などとの情報交換や共同研修などの取り組みを積極的に進めることとしており、将来的には、多文化共生のセンター機能を担えるよう検討しているところです。また、外国人の方々については、日常生活を送る上で言葉の壁を解消することが、まずもって必要であり、簡単でわかりやすい情報伝達手段であるやさしい日本語の普及を目指すこととしております。 府としても、指定出資法人である財団が、そのノウハウやネットワークを生かし、国際都市大阪の発展に寄与できるよう、引き続き積極的に関与を行ってまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 今定例会に、府が、出資法人等の事業の実施、役職員の状況、経営状況等の評価結果を提出しております。この中にある法人の総合的評価結果を見ますと、国際交流財団の点数は四十六点、役員業績評価はCとなっております。中でも、最重点目標に位置づけた一日相談窓口新規開設相談件数が達成できず、三十点満点で零点だったことが低い評価につながっております。 評価結果の中にも、目標が達成できなかった原因が分析されております。今年度以降の最重点目標の達成に向け、府は、どのように指導していくのでしょうか、府民文化部長にお聞きします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 御指摘の一日相談窓口における相談件数が目標を下回ったことにつきましては、財団にとって大きな課題と受けとめており、より多くの外国人住民の方に御利用いただけるよう一層工夫を図る必要があると考えております。 このため、今後、複数の市町村との共催や在留制度に詳しい行政書士等の専門家の参加などを伴う地域合同相談会として開催するよう、新たな中期計画案の中で位置づけているところです。 また、府としても、財団に対し、計画を適切に履行するよう指導するとともに、多くの市町村が地域合同相談会に参加するよう積極的に働きかけ、より多くの外国人住民の方が、より身近なところで相談できるよう、いわゆる相談者の視点に立った相談会が開催できるよう、しっかりとサポートして取り組んでまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 次に、多文化共生社会で活躍するグローバル人材の育成についてお聞きします。 大阪府と財団が、共同で実施している大阪の国際化戦略アクションプログラム事業のうちおおさかグローバル塾は、海外留学を目指す大阪の高校生を対象に、九カ月間に及ぶ英語による講座や海外での短期留学体験などを通じて、留学に必要な力と自信を養い、将来世界で活躍できる人材の育成を目的としています。 私も、ことし七月、前年度の生徒の修了式と今年度の生徒の前期成果発表の場にお邪魔しました。途中で話す内容を忘れたのか困った様子を見せた生徒もいましたが、全員が、英語で自分の訴えたいことを語ってくれました。また、この日は、グローバル塾の出身者が二名駆けつけ、後輩たちに英語で力強く語りかける姿に頼もしさを感じました。 平成二十四年度から始まったグローバル塾に参加した経験者からの声を含め、改めてこの事業の意義について、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) おおさかグローバル塾事業は、平成二十四年度から実施しており、これまでの五年間で修了した受講生は、四百五十五名に上ります。参加した受講生からは、仲間と切磋琢磨する中で世界を舞台に活躍するといった思いを持つことができ、その後の進路選択に大きな影響を受けたといった声が聞こえてきます。 これまで、受講生のうち七十六名が海外留学を果たすなど、本事業は、英語のレベルアップのみならず、彼らの成長と将来のキャリア形成に意義あるものと考えております。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) グローバル塾を含め、これまで府と財団が共同で実施してきた国際化戦略アクションプログラム関係の事業は、来年度から府が単独で行う予定です。 グローバル人材の育成は、大阪の成長戦略の中で、国際競争を勝ち抜くハイエンド人材の育成の具体的取り組みの一つに掲げられている重要なものです。また、公明党大阪府本部がまとめた大阪創生ビジョンにも、海外への留学支援を通じたグローバル人材の育成を盛り込んでおります。 パリやロンドン、ニューヨークと並ぶ国際都市へ発展し、関西、そして日本の成長を牽引していくための大きな柱となるグローバル人材の育成事業は、ぜひとも継続していただきたいと考えますが、府民文化部長の見解を伺います。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) これまで府と財団が共同で実施してきた国際化戦略アクションプログラム事業については、その内容を検討の上、来年度から府が単独で実施することにしています。 本事業の根幹をなすグローバル人材育成につきましては、昨年十一月に作成した大阪都市魅力創造戦略二〇二〇においても、十の目指すべき都市像の一つに位置づけたところであり、これまで積み重ねてきた実績の上に、引き続き効果を上げることができるよう取り組んでまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 二〇二五年の大阪万博誘致を強力に進め、さらにその先の未来社会を切り開いていかなければならない府にとって、トップレベルのグローバル人材の育成は、未来への必要な投資と考えますが、府の単独事業となることで縮小されるのではないかと非常に懸念しております。財源を確保し、事業を継続するよう求めておきます。 また、国際都市大阪の看板を掲げるからには、外に向けた国際化だけでなく、府内の各地域で暮らす多様なルーツを持つ人たちとの多文化共生が着実に根づくよう、国際交流財団には、事業の中核を担うプロパー職員の採用、育成を初め、人材や情報の拠点としての機能強化をお願いしておきます。 次に、文化スポーツ施策の推進についてお聞きします。 府民文化部にこの四月、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズと続くゴールデンスポーツイヤーズに向け、文化・スポーツ室が設置されました。大会開催に向けた機運の醸成や日本が世界から注目を集める好機を生かして、大阪の都市魅力の発信を強化していくことは重要なことです。 また、ゴールデンスポーツイヤーズが終わっても、文化・スポーツ施策への取り組みが変わってはなりません。大阪の持つ文化、スポーツのすばらしさをさらに高めていくため、府民が、文化、スポーツに親しむ機会の提供や、民間や府民の多様な活動を促し、府も積極的に応援していくべきです。 振り返れば、平成二十一年度に府民文化部が発足した当時、都市魅力創造局に文化課と生涯スポーツ振興課がありました。それが、二十六年、生涯スポーツ振興課が廃止され、スポーツ担当はグループに格下げされました。二十七年度、文化・スポーツ課として課の名前にスポーツが復活し、今年度、文化課とスポーツ振興課の一室二課体制になった経緯があります。 改めて、文化・スポーツ室の設置の目的と現在の取り組みについて、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 文化・スポーツ室は、大阪府が、文化・スポーツ施策に対して積極的に取り組む姿勢を庁内外に打ち出し、両施策を総合的に展開することを目的として本年四月に設置いたしました。 文化施策については、昨年度策定した第四次大阪府文化振興計画に基づき、民間の力を最大限に生かし、府民やアーティスト等の自主性、創造性が発揮されるよう、若手芸術家の育成や府民の活動を支援する施策を着実に進めております。 さらに、今年度からは、経済団体や在阪放送局などと連携したオール大阪の取り組みとして、大阪文化芸術フェスをスタートさせました。プログラムには、大阪の伝統芸能である上方歌舞伎の特別公演や、落語や能など異なる分野の芸術の組み合わせを盛り込むなど、大阪の文化力をより高め、その魅力を国内外へ広く発信することを目的としております。 スポーツ施策については、市町村と協力しながらプロスポーツチームとの連携事業やスポーツ体験会など、生涯スポーツの振興を積極的に進めています。また、第二次大阪府スポーツ振興推進計画を年内に策定し、感動や共感といったスポーツの持つ魅力を社会のさまざまな分野で生かす取り組みを文化施策とともに総合的に取り組んでいます。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 府が、昨年度まとめた文化振興計画、本年度まとめる予定のスポーツ推進計画に基づき、それぞれの施策に取り組んでいくとのことですが、文化については、歌舞伎、能、浄瑠璃などの上方伝統芸能、落語、漫才を初めとする上方演芸など、世界に誇るべき多くの文化資源がある一方で、担い手の他都市への流出を初めいろいろな課題があると感じております。 先ほど、新たにスタートさせたと答弁いただきました大阪文化芸術フェスは、ことしだけの一過性のイベントに終わらせるのではなく、十月の大阪と言えば文化芸術フェスと、誰もが知っていて楽しめるイベントに充実発展させてください。 スポーツは、する、見る、支えるというさまざまな形でかかわる人をふやしていくことが大切です。大阪には、国際大会などができる施設や、野球、サッカー、バスケットボールなどプロチームがあり、多くのトップアスリートもおります。スポーツや健康づくりに関する企業も多く存在しています。こうした他の都市にはない強みを大阪の発展にうまくつなげていくべきではないでしょうか。 文化・スポーツ室は、今後どのような方向性を持って文化施策とスポーツ施策を展開していくのか、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 文化とスポーツは、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に欠くことのできないものであると認識しております。 このため、文化施策については、新たにスタートさせた大阪文化芸術フェスを初め、あらゆる施策を通じて大阪の文化を国内外に発信し、多くの人々を大阪に呼び込んでいくとともに、みんなで大阪の文化を支え育てていく好循環をつくり出していくことを目指してまいります。 また、スポーツ施策については、今回の計画策定を機に、改めて経済団体やスポーツ団体と意見交換を行っているところです。今後、スポーツを都市魅力に生かすとともに、市町村や民間、地域との連携協力関係をさらに強化しながら、府民誰もが、スポーツの持つ魅力を享受できるように施策の展開を図ります。また、あわせて大阪が誇るスポーツ資源を生かした地域、経済の活性化を目指してまいります。 こうした方向性をもって、文化・スポーツ室として大阪の文化、スポーツの振興にしっかりと取り組んでまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 先ほどモニターでごらんになったとおりでございます。今度こそ、しっかりと文化・スポーツ施策、柱を持って、立てて取り組んでください。 次に、大阪アーツカウンシルについてお聞きします。 平成二十五年七月、大阪の文化施策を推進する新たな仕組みとして、行政と一定の距離を保ちながら、芸術文化の専門家が文化事業の評価、審査を初め企画、調査を行うアーツカウンシルが活動を始めました。私は、大阪にふさわしい文化行政を展開する上でアーツカウンシルが重要な役割を果たすと考え、一般質問や委員会質疑で繰り返し取り上げてきました。 昨年十一月にまとめた第四次大阪府文化振興計画には、文化施策のPDCAサイクルの実現を最優先課題として、大阪府市の所管事業の評価や補助事業の採択審査等、評価、審査を中心に取り組み、一定の成果を上げてきたとの評価がなされております。 設置から四年が過ぎ、改めてアーツカウンシルを設置した狙いとこの四年間の成果について、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 大阪アーツカウンシルは、専門性、透明性、公正性の確保を図りつつ、大阪府市の文化施策を統一的に推進しパワーアップを目指すため、大阪府市文化振興会議の部会として設置しました。 主な機能については、府市の文化事業についての評価・審査機能、文化関連情報の収集・分析などを行う調査機能、新たな事業提案などを行う企画機能を三本柱として位置づけています。設立当初からこの四年間は、主に評価、審査に係る取り組みを進めることとし、府市の文化事業の全てについて事業評価や改善提案を行うなど、文化施策のPDCAサイクルの構築に大きな役割を果たしてきました。 調査機能、企画機能については、段階的に拡充し、芸術文化に携わる人々への支援につなげてきました。また、ワッハ上方の今後のあり方に関する提言や、芸術文化魅力育成プロジェクトの企画提案などを行い、本府としても、これを踏まえ、事業の具体化に取り組んでまいりました。 このように、アーツカウンシルは、大阪の文化施策の推進に当たって、さまざまな面から重要な役割を果たしています。今後とも、アーツカウンシルの取り組みや意見を尊重しながら、しっかりと文化施策の推進に取り組んでまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 文化施策は、地道な取り組みを積み重ねて少しずつ効果があらわれてくるものと考えます。アーツカウンシルには、大阪の文化芸術振興に向け、先ほどの部長答弁にございました三本柱のうち、調査機能、企画機能を強化し、例えば大阪が誇るさまざまな文化を掘り起こし、それらの担い手を支援するといった目きき役としての役割に力を入れてほしいと考えます。 この点について、今後どのように取り組んでいくのか、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 大阪アーツカウンシルの今後の展開については、第四次大阪府文化振興計画において、芸術文化の担い手を支援し、大阪の文化力の向上につなげるため、調査機能や企画機能を高めつつアーティストへのサポートなどに取り組むこととし、また運営体制についても強化していくこととしています。 そのため、大阪府市文化振興会議では、本年四月に、アーツカウンシルのあり方検討に係る部会を設置し、これまでの活動成果や課題の検証、今後の方向性及びその推進体制などについて、年内を目途に取りまとめられる予定となっております。 本府としては、その検討結果を踏まえ、大阪市とともに運営体制の強化を図りつつ、アーツカウンシルが十分に機能を発揮できるよう、しっかりとサポートしてまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 次に、ワッハ上方についてお聞きします。 「大阪人、二人寄れば漫才師」との出だしで始まる歌があるぐらい、大阪と笑いは切っても切れない関係にあるのは、皆さんも実感されているでしょう。庶民の生活の中から生まれた笑いの文化は、国籍、年齢、性別を問わず、多くの人々を元気づけ、活力を与えてくれるものです。国内外問わず大阪を訪れる人たちに、広く大阪の人やまちのすばらしさを知ってもらえるよう大いに活用すべきではないでしょうか。 思い起こせば、漫才師砂川捨丸の遺品の鼓が大阪府に寄贈されたことをきっかけに、上方演芸の資料を残す施設整備の計画が持ち上がり、上方演芸の発祥の地と言われるなんばに平成八年十一月、大阪府立上方演芸資料館ワッハ上方が開館しました。以来、二十一年の歳月が流れる間には、存続や運営主体をめぐって激しい議論が展開されたこともありました。 現在、ワッハ上方は、平成二十七年度より府直営となっています。今年度末には、大阪府を信頼して関係者から寄贈、寄託を受けた貴重な遺品など登録資料の整理が終わるとお聞きしております。 我が会派は、ワッハ上方が所蔵している資料の活用を初め、施設の重要性について繰り返し訴えてきました。私も、上方演芸の発祥の地だからこそ、演芸を伝え発信する場所としてふさわしいと考えております。大学や研究機関との連携等を含め、さまざまな取り組みの中で膨大な資料を活用し、上方演芸を次世代にきちんと伝えていくべきです。 登録資料の整理が、終わることを契機に、上方演芸に関する情報の把握や提供、上方演芸の楽しさを知るための仕組みなど、笑いという大阪が誇る魅力をさらに発信させるための新たな展開を考えていくべきではないでしょうか、府民文化部長にお聞きします。 ○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 上方演芸は、私たちのアイデンティティーの一つであり、大阪が誇る貴重な財産であります。 二〇二五年の万博大阪誘致に当たっても、開催意義の中で、笑いが豊かな大阪文化の要素として取り上げられるなど、今笑いに対する関心が高まっています。こうした中、上方演芸を次世代に伝えていくことはもちろん、大阪の魅力として笑いの文化を知ってもらえるように活用していくことは重要だと考えております。 ワッハ上方では、これまで資料整理と並行して、館内での資料の閲覧を初め、図書館などによる巡回展示を実施してまいりました。今後、収蔵資料の保管場所について検討するとともに、より多くの人々が、上方演芸に触れ、楽しみ、その魅力を知ることができる施設となるよう考えてまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) ニッセイ基礎研究所の「最近の訪日外国人消費」と題したレポートで、訪日外国人消費を維持拡大するため、日本の文化や歴史を通じた日本ならではのコト消費やモノ消費にいかに魅力を感じてもらうかが肝要だとありました。 そこで、提案があります。かつてのワッハ上方には、落語家の気分が味わえるよう高座がしつらえてありました。ワッハ上方のある難波千日前は、多くの旅行者が行き交います。大阪ならではの高座体験の写真をSNSで発信してもらえば、新たな来館者を呼び込む宣伝にもなるでしょう。 インスタ映えという言葉があるぐらいです。資料展示だけでなく、気軽に大阪の笑いを体験したくなる施設づくりをお願いしておきます。 次に、新大阪駅のターミナル機能強化についてお聞きします。 新幹線を初めJR東海道線、地下鉄御堂筋線が乗り入れる新大阪駅は、国土軸にあって大阪の玄関口として重要な役割を担っております。また、周辺地域も新大阪駅とともに発展してきました。 昭和四十四年当時の新大阪センイシティー周辺の写真をごらんください。 センイシティーと新幹線の高架橋の間にほとんど建物がありません。高層ビルが建ち並ぶ現在の姿とは大違いです。 新大阪駅は、二〇一九年春、長年待ちわびていたおおさか東線が乗り入れる予定でホームの工事が進められています。また、二〇三〇年度開業目標のなにわ筋線の乗り入れや阪急新大阪連絡線の計画など、ますます新大阪駅と周辺の重要性は、高まっていきます。 一方で、大阪を訪れる国内外の観光客やビジネス客がふえており、新幹線や在来線、地下鉄を合わせた新大阪駅の一日当たりの乗車人員は、二〇一〇年から二〇一五年の五年間で約十七万人から約二十万人に約二割増加しております。当然、新大阪駅に来るのが初めてという人もいるでしょう。 私は、駅の案内がわからず、道に迷ってしまった人を正しい場所まで案内したことが何度かあります。わかりやすく便利に次の目的地に行くことができる乗り継ぎの利便性の向上は不可欠です。 現在でも、JRが、方向だけでなく移動距離を明示した案内表示を出すなど力を入れておりますが、鉄道事業者任せではなく、行政も関与し、さらなる乗り継ぎ利便性の向上を図るべきではないでしょうか。 新大阪駅では、どのように取り組んでいくのか、都市整備部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 都市整備部長井出仁雄君。 ◎都市整備部長(井出仁雄君) 大阪府では、宿泊税を財源として複数の鉄道事業者が、乗り入れる鉄道乗り継ぎ駅において、他の事業者の情報も含めた案内を表示するなど、観光客の利便性向上に取り組む鉄道事業者に対する補助制度を創設いたしました。 この制度を活用して、今年度、新大阪駅において、JR西日本と大阪市交通局が連携して整備を行うこととしております。具体的には、新幹線を含めたお互いの時刻表や運行情報を表示する案内モニターをそれぞれの改札口付近に設置するとともに、床面に経路案内表示を整備する予定です。 引き続き、鉄道事業者とも連携しながら、鉄道駅における乗り継ぎ利便性の向上に取り組んでまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 続きまして、リニア中央新幹線、北陸新幹線に関連してお聞きします。 開業が最大八年前倒しの決まったリニア中央新幹線、ルートが決まった北陸新幹線は、一日も早い着工、全線開業の実現に向けて全力を挙げていくべきだと考えます。 リニア中央新幹線は、九月十一日、大阪市内で、三重、奈良、大阪の三府県とJR東海、経済団体などが、集まり名古屋から大阪までの早期開業を求める決起大会がありました。早期の全線開業に向け、駅、ルートの確定やターミナル駅の整備に協議調整をすることなどを求めた決議を採択したところです。 一方、北陸新幹線も、敦賀から新大阪までのルートがことし三月、正式に決まりました。新大阪駅は、両路線のターミナルとして予定されており、大阪、関西、西日本の玄関口にふさわしい拠点にしていく必要があると考えます。 今後の大阪府としての取り組みについて、政策企画部長にお伺いします。 ○議長(大橋一功君) 政策企画部長山口信彦君。 ◎政策企画部長(山口信彦君) 新大阪駅は、リニア中央新幹線、北陸新幹線が早期につながり、既設路線はもとより、なにわ筋線などの計画路線と結節されますことで、東西二極の一極を担う大阪、関西の玄関口にふさわしいターミナルになると考えております。 北陸新幹線につきましては、本年三月にルートが決定し、現在、駅位置を決めるための調査が進められております。また、リニア中央新幹線は、先月開催いたしました決起大会におきまして、JR東海と実務的な協議を進めていくことを確認いたしました。 今後、鉄道事業者や大阪市との協議を通じまして、リニア中央新幹線や北陸新幹線等の駅位置の調整を行うなど、利用者の利便性向上や円滑な事業推進に資するよう努めてまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) 最後に、新大阪駅と大阪駅の間を東西に流れる淀川を活用した新大阪・大阪エリアの活性化についてお聞きします。 私は、かねて都会に残された貴重な水辺の自然空間や梅田の夜景、花火大会、舟運など淀川を生かした都市の魅力づくりを提案してまいりました。 昨年十二月に府が取りまとめたグランドデザイン・大阪都市圏には、淀川舟運の復活によるにぎわい空間の創造などの取り組みの方針が示されており、九月十日から大阪中心部のにぎわいを淀川の舟運に波及させるべく、八軒家から枚方までの定期運航が始まりました。また、過日の新聞記事によれば、かつて三十石船が行き来した京都伏見と枚方を結ぶ遊覧船の試験的な運航が今月行われるほか、近畿地方整備局が、淀川大堰での閘門設置に向け、工事費を抑える工法などを内部で検討しているとのです。淀川の舟運の可能性を広げるため、大いに期待しております。 大阪商工会議所が、平成二十七年にまとめた淀川の活性化とにぎわい創出に向けた提言には、下流域に新たなシンボルの創出として、淀川にかかる十三大橋のかけかえにあわせ、橋そのものをにぎわい空間に変えるブリッジパーク構想や、橋そのものを光や音、噴水などでエンターテインメントとして活用すること、クルーズ船の発着する船着き場の設置などが盛り込まれております。 万博誘致などに向け、新大阪・大阪エリアが、大阪、関西の玄関口としてさらなる魅力向上が求められる今こそ、提言に盛り込まれているような淀川の活用を具体化していく必要があると考えます。また、新大阪・大阪エリアから淀川を活用しベイエリアへの舟運をつなぐことで、水都大阪の魅力向上につながるのではないでしょうか。 そこで、淀川を活用した新大阪・大阪エリアの活性化にどう取り組むのか、住宅まちづくり部長にお聞きします。 ○議長(大橋一功君) 住宅まちづくり部長山下久佳君。 ◎住宅まちづくり部長(山下久佳君) 新大阪・大阪エリアを活性化するためには、みどり豊かな河川敷や防災船着き場など淀川が有するストックを、多様な人々の交流やにぎわいを生み出す貴重な資源として活用する取り組みを進めることが重要と考えています。 現在、国と大阪商工会議所が協力し、右岸側の河川敷において淀川アーバンキャンプを実施し、物販、飲食店舗の出店やカヌーによる淀川の水面利用など、にぎわい創出のための実証実験が行われているところです。 今後、これらの成果を踏まえ、河川敷では、規制緩和等によるカフェなど人の集まる施設の立地の取り組み、また防災船着き場では、河川空間を楽しむ小型船による周遊やベイエリアへの水上アクセスの拠点としての活用などについて、国や大阪市、民間団体等と意見交換し、新大阪・大阪エリアの活性化に取り組んでまいります。 ○議長(大橋一功君) 加治木一彦君。 ◆(加治木一彦君) ぜひとも、水都大阪の取り組み、こちらの淀川のほうでもお願いをいたします。 さて、昨日、ことしのノーベル文学等にカズオ・イシグロ氏が選ばれました。日本生まれイギリス育ちのイシグロ氏の受賞を心よりうれしく感じております。 けさの日本経済新聞朝刊のコラム春秋には、イシグロ氏の受賞についてこのように書いてあります。「受賞は、世界に吹き荒れる排外主義への静かな反論ともとれる」。また、日本出身でない作家が、日本で活躍していることにも触れ、「寛容が生む豊かな交流は、芸術に確かな成果を生み出すことは、歴史に明らかだろう」。違いは、あって当然のことです。互いの違いを認め、生かしていくことこそ大切なことと考えます。 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。 ○議長(大橋一功君) 次に、豊田稔君を指名いたします。豊田稔君。 ◆(豊田稔君) 自由民主党・無所属 大阪府議会議員団の豊田稔でございます。 私、どなたもおっしゃらないので、カズオ・イシグロ氏の話をしようとメモをしていたところでございますが、言っていただきましたので、私からは、同じ昭和二十九年生まれの方が、ノーベル文学賞をとられた。そういう喜びでいっぱいでございます。それだけお伝えをいたします。 それでは、今回一般質問の機会を頂戴いたしましたので、どうぞよろしくお願いをいたします。 早速質問に移らせていただきます。 まず初めに、国道四二三号の名神高速高架下における安全対策について質問をいたします。 パネル一をごらんください。 私の地元であります吹田市の国道四二三号と名神高速道路の交差部の西側は、名神高速道路の下を国道四二三号がくぐっている形となっております。しかしながら、名神高速道路の高架下には歩道が全くなく、歩行者が通行しようといたしますと、非常に危険な状況となるのでございます。 また、パネル手前には、国道四二三号に合流してくる道路もございまして、頻繁に自動車が行き来しております。自動車側から見ますと、歩行者、自転車の存在は予見ができず、重大な接触事故につながる危険がございます。 パネルの二をごらんください。 一方、国道の東側でございますけれども、以前は、市道を迂回するのにかなりの遠回りを余儀なくされておりましたが、平成六年に国道に隣接をした名神高速道路の下に歩道トンネルがこのように整備をされました。その結果、めでたく安全性と利便性が確保できたわけでございます。 パネル三をごらんください。 しかしながら、西側は、二十年以上経過いたしました現在でも、いまだに隣接をした歩道がございません。歩行者が、安全に通行するためには、約百メートル西側の既存のトンネルで迂回する必要があり、利用者にとりましては非常に不便で、ほとんど誰も使わないというような状況でございます。無理に国道の路肩を通行する歩行者が、自動車との接触事故を起こしそうになっているというのを見かけたことが実際ございます。まさに、命知らずでありまして、けが人や事故がないというのが、かえって不思議なぐらいでございます。 この西側歩道の整備につきましては、地元からも長年にわたりまして要望されているところでございますが、その取り組み状況につきまして、都市整備部長にお伺いをいたします。 ○議長(大橋一功君) 都市整備部長井出仁雄君。 ◎都市整備部長(井出仁雄君) 国道四二三号の西側に隣接する歩道整備につきましては、地元からの歩道トンネルの整備要望を受け、平成二十六年度に調査を実施いたしました。その結果、トンネルの整備をするには、多額の事業費が必要となりますが、それに対し、名神高速道路を越えて南北に移動する歩行者の少ないことがわかりました。 この結果を踏まえ、地元や吹田市などの関係者と意見交換を行った上で、既存の歩道トンネルへ迂回していただくための案内看板の設置や、迂回道路での歩行者の安全対策となるグリーンベルトの設置による歩行空間の整備などを実施してまいりました。 今後、これらの安全対策の効果検証を行うとともに、引き続き、地元の方々などと協議しながら、周辺道路を含め必要な安全対策を実施してまいります。 ○議長(大橋一功君) 豊田稔君。 ◆(豊田稔君) 地元の皆様も、既存のトンネルにNPOとともにトンネルアートを実施するなど、利用の促進に取り組んでいただいているところでございます。 しかしながら、この周辺は、幅員が狭く、歩道のない道路が多いにもかかわらず、自動車交通量の多さは突出しております。大阪府といたしましても、引き続きしっかりと安全対策を実施する必要があると考えます。また、厳しい財政状況ではありますが、トンネル設置による歩道整備を国の方針や制度の変更などの機会を逸することのないよう、着実な取り組みをしていただくことを要望いたします。 次に、高齢者社会対策について伺います。 国連は、六十五歳以上の人口が、二一%を超えた社会を超高齢社会と定義しております。二〇一五年の国勢調査によりますと、大阪府の総人口に占める六十五歳以上の割合は二六・一%に達しており、大阪府は、四人に一人以上が六十五歳以上の超高齢社会を既に迎えているのであります。 こうした高齢化の進展につきましては、年金、医療、介護費等の社会保障費の増加といったマイナスイメージで捉えることが多いところでありますが、六十五歳以上人口の約八割の方々は、要介護認定を受けておられない元気な高齢者で占められているというのが現状でございます。こうした元気な高齢者が活躍し、居場所や出番のある地域づくりを進めていくことは、社会の活力維持に資するだけでなく、介護予防の観点からも重要ではないかと考えます。 このような地域づくりは、本来、市町村の役割となっておりますが、それを力強く後押しをするための本府の広域的な支援策が必要ではないかと考えます。 大阪府の取り組みを福祉部長に伺います。 ○議長(大橋一功君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) 超高齢社会が到来をいたしまして、高齢者が住みなれた地域で元気に暮らし続けることができる社会の実現が求められております。そのためには、高齢者御自身が主体的にかかわる地域づくりと効果的な介護予防の取り組み、これが不可欠だと考えています。 そこで、今年度から、高齢者の社会参加や介護予防への機運を醸成するために、本府独自の取り組みといたしまして、大阪ええまちプロジェクトをスタートさせました。このプロジェクトは、高齢者の居場所づくり、多様な生活支援サービスの創出などに取り組む地域貢献団体の立ち上げ支援などを行うこととあわせまして、高齢者の地域活動への参画を促すための啓発活動などに取り組んでいくものであり、個々の市町村の有する人的資源、ノウハウを補うための広域的支援の新たな仕組みであります。 地域の高齢者が、互いに支え合い、元気に活躍し続けられる地域づくりが進むよう、行政はもとより、地域の高齢者、地域貢献団体、ボランティアなどオール大阪での取り組みとして、この大阪ええまちプロジェクトを全力で進めてまいりたいと存じております。 ○議長(大橋一功君) 豊田稔君。 ◆(豊田稔君) ありがとうございました。 少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、本府では、府民の健康増進に向けたさまざまな取り組みが進められております。とはいえ、足元の府民の健康を取り巻く状況を見ますと、がんや心疾患など生活習慣とかかわりの深い疾患、いわゆる生活習慣病につきましては、全国との比較においても大変深刻な状況になっております。 日常生活に制限のない期間をあらわす健康寿命--現状、男性で七十一年、女性で七十四年あると言われておりますが、この健康寿命を伸ばして、男性で九年、女性で十三年と言われております平均寿命との差を縮め、生涯を通じて健やかな生活を送るためには、若いころから生活習慣の改善を積極的に促していく取り組みを強化することが必要であると考えます。 私自身の経験からいたしましても、もちろん皆様もそうだと思われますが、健康の価値というものは、失ってみてそのありがたみがわかるものであります。健康に関心があっても、なかなか行動に移せない、実践ができていないという府民も決して少なくありません。家族や仲間などと一緒に、気軽に健康行動に取り組むことができるような環境づくりも必要であると考えます。 現在、市町村におきまして、健康診断や健康づくりイベントに参加することでポイントを集め、ためたポイントで健康グッズ等がもらえるという健康マイレージ事業に取り組まれております。このように、健康づくりの楽しさ、達成感、そしてそれなりのお得感というものが実感できる仕組みを構築することも有効な取り組みではないでしょうか。 今後、健康マイレージ事業の普及促進を含めて、若いころからの栄養、食生活の乱れや、運動不足の解消、働く世代の生活習慣の改善に向けて、府民一人一人が、主体的に健康づくりに取り組むことが重要であります。 取り組んでよかったと思える施策の充実が図られるべきだと考えますが、いかがでしょうか、健康医療部長に伺います。 ○議長(大橋一功君) 健康医療部長藤井睦子君。 ◎健康医療部長(藤井睦子君) 府民一人一人の生活習慣の改善を図るためには、若い世代から働く世代、高齢期まで、ライフステージを通じて府民が主体的に健康づくりに取り組み、お示しのように、その効果を実感できることが重要であると認識しています。 このため、子どものころから生活習慣の大切さを学ぶ健康教育を初め、中小企業の従業者が生き生きと働ける職場づくりを支援する医師などのアドバイザー派遣、お示しの健康マイレージ事業など、学校や職場、地域で府民が主体的に健康づくりを実践できるような創意工夫を凝らした取り組みを進めております。 現在策定中の第三次健康増進計画においても、健康寿命の延伸に向けて、市町村や医療保険者、教育機関、民間企業などとの一層の連携により、府民の行動変容につながる取り組みの充実を進めていきます。 ○議長(大橋一功君) 豊田稔君。 ◆(豊田稔君) 高齢社会につきまして伺ってまいりましたが、私も還暦を過ぎ、おかげさまで先日満六十三歳を迎えました。数え年というのは、今や死語となっておりますが、寿祝いなど昔からの風習は全て数え年でございます。 その数え年が、還暦も数え年で満六十一歳ということなんですけれども、その思いというか精神が大切だと最近感じております。満年齢と違い、生まれたときに一歳という数え方でございます。つまり、お母さんのおなかの中にいる胎児をも一人の人間として認めているんだなと感じます。現在のように軽々しく胎児の命を扱うということは、昔は少なかったのだと思います。また、七五三の祝いなど、いかに我が子を一人前に育てることが難しいことか、また子を思う昔の親の愛情の深さをも知ることができると思います。 二〇二五年には、団塊の世代が全員後期高齢者となります。このこと自体が大問題でございますが、高齢者を前期、後期と区別する、特に後期高齢者などと呼ぶこと自体に、行政の高齢者に対する事務的な冷たさを感じるのは、私だけでしょうか。この姿勢こそが、問題であると感じます。 なぜなら、一般的に前期、後期とした場合、その期間は、どちらも同じはずであります。前半は、六十五歳から七十四歳の十年間でありますが、後半も七十五歳から八十四歳までということなのでしょうか。そんなことはあり得ません。決して十年間ではないはずであります。八十五歳以上の高齢者が含まれていないはずがないからであります。どのような考えでつけられた名称なのか、疑問でございます。 名は、体をあらわすと申します。心のこもった高齢者施策を充実したものにするためには、この表記を変更する思いこそが重要ではないでしょうか。例えば、障害者の「害」の字が「がい」と平仮名で表記されております。現在は、そのような表記がたくさん見受けられますが、このように変えていく必要があるのではないでしょうか。 この秋、私の地元であります吹田市でも、数多くの敬老行事が実施をされました。 パネル四をごらんください。 会場の壁面には、このように「幸齢社会の実現」などの「幸齢」の文字が多く見られました。「高」は「幸」という字を当てております。これは、吹田市長の後藤圭二氏が、高い年齢ではなく幸せに年齢を重ねてほしいとの思いから使用されている造語であります。 パネル五をごらんください。 私は、前期高齢者のかわりに六十五歳を祝う緑寿(ろくじゅ)高齢者、あるいは今風に緑寿(りょくじゅ)高齢者でもいいかなと思いますが、こう呼ぶことを提唱いたします。初めての寿祝いであり、「緑」は、初心者である若葉マークにも通じる、そういった若々しさがございます。 ちなみに、還暦は、寿祝いのように確かにめでたいのですが、厄年でもあり、手放しでは喜べないところがございます。 パネル六をごらんください。 そして、問題の不人気きわまりない後期高齢者のかわりには、幸寿高齢者とお呼びすべきではないかと私は、考えております。ぜひ当局の御検討をお願いいたします。 続きまして、国立健康・栄養研究所の移転につきましてお伺いいたします。 国立健康・栄養研究所は、JR岸辺駅北側に、本府が吹田市などと連携して整備を進めている北大阪健康医療都市、いわゆる健都に移転する方針が示されております。健都には、既に国立循環器病研究センターの移転が決定されており、同センターとこの研究所は、健都にとりましてダブルエンジン、成長の核となるべきものと考えます。 研究所の移転を契機に、健都への進出を考えている民間企業も少なくないと伺っており、健都のみならず大阪全体の発展のためにも、ぜひとも方針どおりに移転が実現されなければなりません。移転先は、健都イノベーションパーク内に建設される民間賃貸施設アライアンス棟であるとのことであります。 しかしながら、現在、この移転に伴って増加する経費について、国、法人、地元の負担のあり方が大きな課題となっていると聞いております。これに関する協議が進まないことで、万が一にもほかの都市に移転するというようなことがあってはならないと考えます。 万が一、大阪への移転が、実現しなかった場合の損失について、本府としてどのように考えておられるのでしょうか。確実に大阪への移転を進めるためにも、研究所に対する財政面での支援が必要不可欠であると考えますが、いかがでしょうか。 移転誘致に対する状況の判断と、必ず誘致を決定するぞという強い決意を知事にお伺いいたします。 ○議長(大橋一功君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 豊田議員の御質問にお答えをいたします。 政府関係機関の移転については、国の責任において実施されるべきものでありますが、研究所の円滑な移転という観点から、その自立化を国が支えること、これを前提といたしまして、職員の派遣、成長特区税制など期限を区切った支援を提案いたしております。 府といたしましては、この研究所が、大阪への移転を機に、国のサポートも得て産学官の拠点となることを前提に、どのような支援ができるのかを検討し、厚生労働省と協議に当たりたいと思っております。 ○議長(大橋一功君) 豊田稔君。 ◆(豊田稔君) 前向きの御答弁をいただきました。 家賃の要らない居心地のよい東京から引っ越しをしてこられるこの研究所は、大阪の救いの神となるかもしれません。国循とともに健都を牽引し、この研究所が、大阪の成長に大いに寄与していただかなければなりません。来られる前から大阪府とぎくしゃくしていては、決してよいスタートは切ることはできませんし、大きな成果は見込めないというような危惧を感じます。松井知事には、くれぐれも上手にやっていただきますようによろしくお願いをいたします。 続きまして、IRについて伺います。 統合型リゾート--IRにつきましては、昨年十二月にいわゆるIR推進法が成立し、国において制度設計の検討が進められているところでございます。世界に視点を移しますと、既に多くの国でカジノを含むIRが立地しており、日本は、明らかにIR後発国であると言えます。 大阪のIRにおきましては、この後発であることを逆手にとって、先に立地している各国の事例をしっかりと踏まえた上で、世界中の人々が、決してよその国々では味わえない大阪独自の魅力あふれるIRを実現すべきであると考えます。大阪のIRに来れば、ファミリーからビジネス客まで幅広い訪問客が、非日常的な空間で楽しく過ごすことができる。来たときよりもかえって元気になって帰ってもらえるというように、また来たいと思っていただけるIRを目指すべきであると考えます。 ただし、このIRには、カジノ施設があるゆえに、ギャンブル依存症を初めとする懸念事項があることも事実であります。日本初のIR設置をきっかけに、ギャンブル等の依存症対策に正面から取り組むことで、逆にIRに対する府民、国民理解の促進につながるのではないかと期待する次第であります。 また、大阪で魅力あふれるIRが実現すれば、さまざまな大きなプラスの効果があると考えられ、これらの効果は、大阪だけにとどめるべきものではありません。周辺の観光資源や観光施設とともに連携し、広く関西、西日本まで効果を波及させるという視点も大変重要であります。さらに、ウエルネスやスポーツなどの観点も取り入れた新たな観光を創出していくなど、健康的なイメージのIRを実現していくべきであると考えます。 IR推進局では、大阪IR基本構想案中間骨子を取りまとめられたとのことでありますが、このようなIRに対する考え方はどうなのでしょうか、IR推進局長のお考えを伺います。 ○議長(大橋一功君) IR推進局長坂本篤則君。 ◎IR推進局長(坂本篤則君) 世界最高水準の成長型IRを基本コンセプトとする大阪IR基本構想案中間骨子では、成長の方向性--夢と未来を創造するIRの一つとして、ウエルネスの観点やスポーツ、フードなどをテーマにしたニューツーリズムの創出を目指すとともに、成長の方向性--ひろがり・つながりを生み出すIRとしては、大阪、関西、西日本の連携による観光客の送り出しにより、その効果を広く全国へ波及させることとしております。 また、ギャンブル等依存症については、IR実現を契機に、国の規制や海外の先進事例に加え、大阪独自の対策をミックスした総合的かつシームレスな取り組みを構築し、カジノはもとより既存のギャンブル等を含め、依存症を抑制することとしております。 今後、議員御提案の内容も踏まえ、ビジネス客、ファミリー層など世界の幅広い層の訪問客が楽しい時間を過ごし、元気になって帰ってもらえる、そしてまた来たいと思えるような大阪ならではの魅力あふれる世界最高水準のIRを目指し、さらなる検討を深めてまいります。 ○議長(大橋一功君) 豊田稔君。 ◆(豊田稔君) 最後に、大阪万博についてお伺いいたします。 日本を含めた四カ国が立候補する中、誘致に向けたプロモーション活動において、日本、大阪、関西が有する優位性などをアピールして、他の諸外国との違いを見せることが大切だと考えます。 大阪府の基本構想案では、人類の健康・長寿への挑戦というテーマを掲げていましたが、健康は人類共通の課題であります。現在の日本万博のテーマは、いのち輝く未来社会のデザインとなっておりますが、サブテーマでも、多様で心身ともに健康な生き方というように示されております。 この共通課題である健康について、日本、特に大阪、関西は、ライフサイエンスや健康分野での企業や研究機関の集積があります。この強みを生かしながら、万博開催を通じて、さらには万博開催が終了した後にもそのレガシーを継承することが重要だと考えます。大阪、関西が、世界の課題解決にどのように貢献していくのか、それをBIE加盟国に示していくことが、各国からの支持にもつながるものと私は考えております。 今後の海外諸国への誘致活動における戦略について、政策企画部長にお伺いをいたします。 ○議長(大橋一功君) 政策企画部長山口信彦君。 ◎政策企画部長(山口信彦君) 万博についてでございますが、四カ国による誘致活動を勝ち抜くためには、BIE加盟国に対して、我が国で万博を開催する意義や理念に加えまして、大阪、関西のポテンシャルや魅力などの優位性を訴えていくことが重要であると考えております。 大阪、関西には、ライフサイエンス分野の先進企業や医療研究拠点等が多数存在します。現在検討中のいのち輝く未来社会を目指すビジョンでは、万博をインパクトに、ライフサイエンス関連産業等のイノベーション促進を通じまして、世界の課題解決に貢献することを目指しております。 大阪府といたしましては、AIやIoTなどを活用し、万博を機に、万博後も大学や民間企業等のオール大阪で先駆的な取り組みを重ねることで、さまざまな健康課題についての解決策を世界に示していきたいというふうに考えております。 海外諸国への誘致活動では、こうした大阪、関西の強みもしっかりアピールをいたしまして、支持をかち取っていきたいと考えております。 ○議長(大橋一功君) 豊田稔君。 ◆(豊田稔君) ただいま政策企画部長から、海外への誘致活動に際して、大阪、関西の強みをしっかりアピールして支持をかち取っていく旨の答弁がございました。 より確実に支持を得るためにも、具体的に、日本は健康につながる万博を開催するんだ、あなたの国にもこのようなメリットがありますよ、ぜひとも応援をしていただき大阪万博に参画をしてほしいというように、諸外国が支持しやすい双方向の誘致活動が必要であると考えます。そのためには、万博開催のその後に何を残すのかというレガシーの要素が必要不可欠ではないでしょうか。 このレガシーの視点は、国内企業、団体がこの万博に参画してみたい、そのような機運によい影響をもたらすものであるはずでございます。積極的な取り組みを求めておきます。 以上で、私の質問を終わります。御清聴、どうもありがとうございました。 ○議長(大橋一功君) 以上で、通告の質疑並びに質問は終わりました。 これをもって上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問は、終結いたします。    -------◇------- ◆(しかた松男君) ただいま議題となっております日程第一の諸議案のうち、第四十号議案及び第一号諮問の二件は、委員会の付託を省略し、先議されますよう動議を提出いたします。 ○議長(大橋一功君) ただいまのしかた松男君の動議のとおり決定することに御異議ありませんか。    (「異議なし」「異議なし」) ○議長(大橋一功君) 御異議なしと認めます。よって、第四十号議案及び第一号諮問の二件は、委員会の付託を省略し、先議することに決定いたしました。    -------◇------- ○議長(大橋一功君) 討論は、通告がありませんので、討論なしと認めます。    -------◇------- ○議長(大橋一功君) これより第四十号議案及び第一号諮問の二件の採決に入りたいと思いますが、議事の都合により分離して採決いたします。    ……………………………………… ○議長(大橋一功君) まず、第四十号議案 大阪府公安委員会委員の任命について同意を求める件を採決いたします。 お諮りいたします。本案は、これに同意することに御異議ありませんか。    (「異議なし」「異議なし」) ○議長(大橋一功君) 御異議なしと認めます。よって、第四十号議案は、これに同意することに決定いたしました。    ……………………………………… ○議長(大橋一功君) 次に、第一号諮問 退職手当に関する処分についての審査請求の件を採決いたします。 ◆(永野耕平君) 第一号諮問については、次の答申案のとおり決定されますよう動議を提出いたします。       答申案 第一号諮問 退職手当に関する処分についての審査請求の件 本審査請求に対する知事の裁決案は適当と認める。 以上であります。 ○議長(大橋一功君) ただいまの永野耕平君の動議のとおり決定することに賛成の方は、御起立願います。    (賛成者起立) ○議長(大橋一功君) 起立多数であります。よって、第一号諮問は、ただいまの答申案のとおり決定いたしました。    -------◇------- ○議長(大橋一功君) 日程第一の諸議案は、ただいま議決いたしました人事案件一件、諮問一件及び議決不要の報告二十三件を除き、所管の常任委員会に付託いたします。 常任委員会付託議案一覧表並びに審査日程表は、お手元に配付いたしておきましたので、御了承願います。    (一覧表等は巻末に掲載)    -------◇------- ○議長(大橋一功君) 日程第二、第四十二号議案 平成二十九年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件を議題といたします。 議案は、お手元に配付いたしておきましたので、御了承願います。    (議案は巻末に掲載) ○議長(大橋一功君) 議案につきまして、知事の説明を求めます。知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 今次定例府議会に追加提出をいたしました第四十二号議案について説明します。 第四十二号議案 平成二十九年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件は、大阪府議会議員の東大阪市選挙区において、欠員が二名に達したことに伴い、補欠選挙を執行するために必要な経費一億二千七百九万三千円を増額補正するものです。 よろしくお願いします。 ○議長(大橋一功君) 以上で、知事の説明は終わりました。    -------◇------- ◆(しかた松男君) ただいま議題となっております第四十二号議案は、委員会の付託を省略し、先議されますよう動議を提出いたします。 ○議長(大橋一功君) ただいまのしかた松男君の動議のとおり決定することに御異議ありませんか。    (「異議なし」「異議なし」) ○議長(大橋一功君) 御異議なしと認めます。よって、第四十二号議案は、委員会の付託を省略し、先議することに決定いたしました。    -------◇------- ○議長(大橋一功君) 討論は、通告がありませんので、討論なしと認めます。    -------◇------- ○議長(大橋一功君) これより第四十二号議案 平成二十九年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件を採決いたします。 お諮りいたします。本案は、原案のとおり決定することに御異議ありませんか。    (「異議なし」「異議なし」) ○議長(大橋一功君) 御異議なしと認めます。よって、第四十二号議案は、原案のとおり可決されました。    -------◇------- ○議長(大橋一功君) 議長の手元に請願五件が提出されております。 請願文書表は、お手元に配付いたしておきましたので、御了承願います。 なお、以上の請願の審査は、お手元に配付いたしております付託請願一覧表のとおり関係常任委員会に付託いたします。    (請願文書表等は巻末に掲載)    -------◇------- ○議長(大橋一功君) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、十一月八日午後一時より会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。    (「異議なし」「異議なし」)
    ○議長(大橋一功君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 十一月八日の議事日程は、当日配付いたしますので、御了承願います。    -------◇------- ○議長(大橋一功君) 本日は、これをもって散会いたします。午後四時四十分散会...